

ブリヌイ (Blini)
そば粉の生地を薄く焼いたロシアのパンケーキ。ジャムやサワークリームを塗ったり、イクラやサーモンを包んだりしていただきます。
ブリヌイは、ロシアの春を迎える祭り「マースレニツァ (Mасленица)」では欠かせない料理としても知られており、その丸い形状は太陽を象徴しているといわれています。
マースレニツァは、古代スラブの伝統的な祭りで、10世紀にロシアがキリスト教を受けれる以前から伝えられてきました。木の枝や藁で作られた「マースレ二ツァ人形」を燃やして冬に別れを告げ、春の訪れをお祝いします。

シルニキ (Syrniki)
カッテージチーズが入った生地を丸く成形し、バターで揚げて作られるミニパンケーキ。朝食や軽食として食されることが一般的で、ジャムやサワークリーム、ハチミツ、練乳などと一緒に食べます。ロシアの他にも、ウクライナや東欧諸国で広く親しまれています。

怠け者のヴァレニキ (Lazy Vareniki)
カッテージチーズの入った生地を一口大に切り分け、お湯で茹でて作られる料理。バターやサワークリーム、ジャムとともに食されるのが一般的です。ヴァレニキとは小麦粉を練った生地に具を包み茹でた料理 (またはデザート) で、日常のみならずクリスマスの行事食として親しまれています。

オラディ (Oladyi)
ケフィール(またはヨーグルト)や小麦粉、卵、ベーキングパウダーなどから作られるロシアのミニパンケーキ。「スメタナ」と呼ばれるサワークリームやジャム、ハチミツ、コンデンスミルクなどお好みのトッピングをかけて食されます。
その歴史は長く、16世紀に書かれたロシアの家庭訓『ドモストロイ (Домостро́й)』に、オラディに関する記述が残されています。ロシアをはじめ、ウクライナやベラルーシなどの国でも親しまれています。

シャルロートカ (Sharlotka)
ロシアのリンゴのケーキ。英国の「アップル・シャーロット」が原型だといわれており、ロシア版は19世紀にロシア皇帝・アレクサンドル1世に仕えたフランスの偉大なシェフ、アントナン・カレーム氏によって考案されたといわれています。
当時はババロワやビスキュイ生地などが用いられた豪華なもの (シャルロット・リュス / Charlotte Russe) が作られていましたが、広く普及されるとともに簡素化され、現在の形になったと考えられています。
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