

アイリッシュコーヒー (Irish Coffee)、アイルランド
ホットコーヒーにウイスキーと砂糖を加え、上にホイップクリームを浮かべたアイルランドの飲み物。1943年、アイルランドの西海岸にあるフォインズ水上飛行場のシェフ、ジョー・シェリダン氏によって考案されました。
当時、給油のために飛行艇を降ろされた乗客たちは、ボートで川を渡って飛行場の待合室に向かわなければなりませんでした。
特に冬の季節は、厳寒の中移動しなければならずジョー氏は身体の冷え切った乗客たちのために、アイリッシュコーヒーを作ったと言われています。

エッグノッグ (Eggnog)、イギリス
イギリス発祥といわれているホットドリンク。牛乳・生クリーム・砂糖・卵を混ぜ合わせ、シナモンやナツメグで香り付けします。
イギリスから海を渡ってアメリカに伝わった後、当時安価で手に入ったラム酒を入れて飲まれるようになりました。現在はクリスマスの定番の飲み物として広い地域で親しまれています。

エスプレッソ (Espresso)、イタリア
イタリア発祥の器具や工程で抽出されたコーヒー。その起源は1884年、イタリア・トリノで世界初のエスプレッソマシンが発明されたのがはじまりです。1906年にミラノ万博で紹介されたことによって世界に広く知られるようになりました。

ヴィーナー・メランジュ (Wiener Mélange)、オーストリア
ミルク入りのエスプレッソにミルクフォームを浮かべたオーストリアのコーヒー。名称は “Wiener Melange” (ウィーン風の混ぜたもの)を意味します。ウィーンのカフェ文化は300年以上の歴史があり、その起源は1683年の第二次ウィーン包囲戦でトルコ軍から伝わったことが始まりであるといわれています。
カプチーノとよく比較されますが、メランジュはコーヒーとミルクの特別なブレンドで、カフェラテに似ています。

グロッグ (Glögg)、スウェーデン
スウェーデンのホットワイン。赤ワインに柑橘類の皮、シナモン、クローブなどを加えて温めた飲み物で、クリスマスの時期に好んで飲まれます。ヨーロッパには様々なホットワインがありますが、グロッグはアーモンドとレーズンを入れるのが特徴です。

チョコレートカリエンテ (Chocolate Caliente)、スペイン
スペインのホットチョコレート。チョコレートやココアパウダー、ミルク、砂糖、コーンスターチなどから作られます。スペインでは、ホットチョコレートにチュロスを浸して食べる習慣があり、朝食の定番のひとつとして親しまれています。

ファリサイ (Pharisäer)、ドイツ
ラム酒と砂糖を加えたコーヒーにホイップクリームを浮かべた飲み物。長年ドイツで親しまれてきた飲み方で、コーヒーとラム酒の甘い香りの相性は抜群。
かつて、酒好きな農民がこっそり酒をたしなむためにコーヒーにラム酒を加えて飲んでいたところ、牧師に見つかって「Du Pharisäer!( 偽善者だ!)」と叱責された逸話が残されており、「ファリサイ(パリサイ)」と名付けられたといわれています。

カフェオスト (Kaffeost)、フィンランド
フィンランドで親しまれているチーズ入りコーヒー。「ユーストレイパ」と呼ばれるフィンランドの伝統的なチーズが加えられており、特にカイヌ地方でよく飲まれています。
浅煎り豆を使用した酸味の強いコーヒーとチーズの相性は抜群で、チーズはコーヒーを飲み終えた後にすくっていただくのが一般的です。コーヒーの入れ物には、北欧の伝統的な木製のマグカップ「ククサ」がよく使われます。

カフェオレ (Café au Lait)、フランス
コーヒーと温めたミルクをほぼ同量、カップに注いだフランス発祥の飲み物。特に朝食に好んで飲まれ、持ち手のない大ぶりなカップ「カフェオレボウル」に入れて供されることが多いそうです。1685年、フランスの著名な医師・モナン氏が考案したのがはじまりだとされています。

カフェ・ラグリマ (Café Lagrima)、アルゼンチン
アルゼンチンで親しまれているミルクコーヒー。ラグリマはスペイン語で「涙」という意味で、スチームミルクの中に涙のような少量のコーヒーを加えることからこのような名称が付けられたといわれています。
いわばコーヒー風味のホットミルクで、コーヒー独特の苦みや酸味のないやさしい味わいが口の中に広がります。

カフェ・デ・オジャ (Café de Olla)、メキシコ
メキシコで古くから親しまれているコーヒー。クローブ、アニス、シナモンなどのスパイスや「ピロンシージョ」と呼ばれるキビ砂糖が加えられ、鍋で煮出して作られます。
スペイン語で「ポットコーヒー」を意味するカフェ・デ・オジャは、メキシコの伝統的な陶器が使われています。

ミントティー (Mint Tea)、モロッコ
モロッコの代表的な飲み物の一つ。緑茶/フレッシュミント/砂糖から作られるもので、社交の場にはなくてはならない存在です。宗教上お酒が禁じられているため、それに代わる嗜好品として楽しまれており、別名「モロッカン・ウイスキー」とも呼ばれています。

マサラチャイ (Masala Chai)、インド
インドのスパイス入りのミルクティー。茶葉やミルク、スパイス、砂糖などを煮込んで作られます。その起源は数千年前のインドの宮廷で作られたとも言われていますが、広く親しまれるようになったのは20世紀頃のイギリス統治時代。
当時インドで栽培された良質な紅茶は高価だったため、安価な茶葉でも庶民が美味しく飲む方法として考案されたのだそうです。

バターティー (Butter Tea)、中国
お茶に高原地帯に生息する「ヤク」のバターが入ったチベットの飲料。茶葉を固めた「団茶」を煮出し、バターや塩、ミルクを加え、これらを撹拌して作られます。標高の高いヒマラヤ地域に住む人々にとって重要な栄養分の補給源となっており、1日あたり数十杯飲む人もいるのだそう。
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