Local Cuisines in Germany -ドイツの郷土料理 –

グリュンコール (Grünkohl)

ドイツ北部を中心に親しまれている料理。ドイツ語で「ケール」を意味し、一般的には茹でたケールにソーセージや豚肉、茹でたジャガイモなどが添えられています。

グリュンコールは冬の季節を迎えると、市場やクリスマスマーケットに出回るようになります。ケールは栄養価が非常に高く、古くから地中海では薬草として栽培されていた歴史があるそうです。

ブロート/クラインケベック (Brot / Kleingebäckmin)

ドイツのパン。ドイツは世界で最もパンの種類が多く、大型のパンをブロート、小型のパンをクラインケベックといいます。朝食にはもちろん、昼夕、間食などあらゆる機会に食され、オープンサンドにしたり、バター・ジャムを付けたりしていただきます。

カリーヴルスト (Currywurst)

ドイツ・ベルリン名物のファストフード。焼いた(茹でた)ソーセージの上にケチャップとカレー粉(カレーソース)をかけたシンプルな料理です。その起源には諸説あるものの、1949年ドイツ人女性・ヘルタ ホイヴァー氏が考案したという説が最も有力な説として知られています。

Photo by Richard Mischau, Britta Mischau

2019年には、カリーヴルスト発売70周年を記念して、カリーヴルストとヘルタ ホイヴァー氏が描かれた記念硬貨が発行されました。また、ヘルタ ホイヴァー氏が経営していた屋台跡地には、彼女の名前が刻まれた銘板を目にすることができます。

シュバイネハクセ (Schweinshaxe)

豚脚をローストしたドイツ料理の一つ。ドイツのビールの祭典・オクトーバーフェストに欠かせない料理として知られています。豚脚から作る料理に「アイスバイン」もありますが、シュバイネハクセが長時間ローストして作られるのに対して、アイスバインは塩漬けにしてから煮込んで作られるそうです。

ザワークラウト (Sauerkraut)

千切りキャベツを塩漬けにして発酵させたドイツの漬物。肉料理の付け合わせとして、またサンドイッチやホットドッグの具材として用いられるのが一般的です。

古代ローマや中国ではすでにキャベツを乳酸発酵させたものが食されていたと考えられており、中世より中央アジアからヨーロッパへ広く伝わったとされています。

有名なエピソードとして、イギリスの海軍士官、ジェームズ・クック氏の話があります。当時、長い期間海の上で過ごさなければならない乗組員たちが最も恐れた病気が壊血病でした。

これはビタミン不足によって引き起こされる疾患で、クック氏がビタミン補給のためにザワークラウトを彼らに食べさせたことで発症を防いだと伝えられています。

ヴァイナハツガンズ (Weihnachtsgans)

ドイツのクリスマスや聖マルティン祭に欠かせない肉料理。中にプルーンやリンゴ、栗などが詰められたガチョウを丸焼きにしたもので、赤キャベツやケール、じゃがいもの団子などの付け合わせが添えられていることが一般的です。

聖マルティン祭 (11月11日)とは、キリスト教の聖人・マルティヌスを記念する祝日です。彼は控えめな人柄だったため、フランスのツール司教に任命された際に自分では相応しくないと考え、ガチョウ小屋に身を隠しました。

しかし、ガチョウが騒いだため見つかってしまい、新しい司教として正式に任命されることになったという逸話が残されています。

アイスバイン (Eisbein)

ドイツ・ベルリンを中心に親しまれている肉料理。塩漬けにした豚すね肉を香味野菜や香辛料とともに数時間煮込んで作られたもので、ザワークラウトやじゃがいも、マスタードなどが添えられて供されるのが一般的です。

マウルタッシェ (Maultaschen)

小麦粉の生地で包んだ料理で、炒めたり、スープに入れたりして食されます。その起源には諸説あるといわれていますが、17世紀頃バーデン=ヴュルテンベルク州に位置するマウルブロン修道院のシトー会修道士によって考案されたという説があります。

肉食を断つ四旬節の期間において、人知れず肉料理を食べるために考えられたのがこの料理であるという言い伝えが残されているのだそうです。2009年10月には、EUにおける「地理的表示保護(PGI)」に認定されました。

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