Local Cuisines in Italy – イタリアの郷土料理 –


ポレンタ (Polenta)

イタリア北部で親しまれている郷土料理。粉状にしたトウモロコシにを粥状に煮たもので、ソースやチーズをかけたり、肉料理に添えたりして頂きます。

15世紀頃アメリカ大陸からトウモロコシが持ち込まれ、小麦の栽培に不向きな北部や山岳地域を中心に主食として食されるようになったのが始まりであるといわれています。

グリッシーニ (Grissini)

イタリア・トリノ発祥とされるスティック状のパン。前菜やおつまみとして提供されることが多く、ローズマリーやゴマ等で風味付けしたり、生ハムに包んだりして頂きます。17世紀頃、病弱だったイタリア王家・サヴォイア家ヴィットーリオ・アメデーオ2世のために考案されたのが始まりであるといわれています。

かのフランス皇帝・ナポレオンもグリッシーニを「小さいトリノの棒」と呼んで好んで食べていた記録も残されているそう。 

アランチーニ (Arancini)

イタリア・シチリア名物のライスコロッケ。中身は、ミートソースとエンドウ豆、バターとベシャメルソース、その他バリエーション豊かなアランチーニが存在します。日常的にも親しまれている料理ですが、12月13日の「聖ルチア祭」には伝統的にアランチーニを食べる習慣があります。

それは、シチリアが大飢饉に見舞われた1646年のこと。聖ルチア祭の日に小麦を搭載した船が到着し、人々を飢餓から救ったという伝説があります。この日は小麦のありがたさを再認識するため小麦製品を控え、米料理を食べるという習慣があります。

ピザ (Pizza)

発酵させた生地を平らに伸ばし、トマトやチーズ、肉類、魚介類など様々な具材を載せて天火で焼いた料理です。今日世界中で親しまれている料理の一つとなっていますが、「ピザ(Pizza)」の語が文献に登場したのは997年の南イタリアだといわれています。

当時すでにハーブやにんにくなどで風味付けされた平らなパンは作られていたものの、現在のようなスタイルになったのは16世紀に新大陸からトマトがもたらされてからだそうです。

パスタ (Pasta)

マカロニ、ペンネ、スパゲッティ、ラザニアなど小麦粉を水や卵で練ったイタリアの麺類の総称。パスタはイタリアの代表的な主食であり、国内にはおよそ300を超える種類のパスタがあるとされています。

その起源は明らかになっていないものの、古代ローマ時代に食されていた「プルス」と呼ばれる料理が原型であるといわれています。

現在のようなソースと絡めて食べるパスタ料理が普及し始めたのは16世紀の大航海時代。新大陸からトマトが持ち込まれ、トマトとパスタの相性の良さから、17世紀以降広く親しまれるなったそうです。

ブルスケッタ (Bruschetta)

イタリアの前菜やおつまみとして親しまれている料理。硬く焼いたパンに、にんにくとオリーブオイルを塗り、好みの具材をのせて作られます。

その名称はローマ地方の方言で「炭火であぶる」を意味する “bruscare” に由来するとされており、その名の示す通りパンを炭火で焼くのが本来の作り方なのだそうです。

カルパッチョ (Carpaccio)

薄くスライスした生の肉や魚にチーズやオリーブオイルなどの調味料をかけた料理。20世紀、ヴェネツィアのレストラン経営者であったジュゼッペ チプリアーニ氏によって考案されたといわれています。

レストランの常連客であった伯爵夫人が、医師の指示により厳格な食事制限を強いられていることを知ったチプリアーニ氏は、彼女のためにこの料理を提供しました。

当時ヴェネツィアでは展覧会が催されており、料理の色合いが画家のヴィットーレ・カルパッチョ氏の絵画を彷彿とさせたため、彼に敬意を表して「カルパッチョ」と名付けられたそうです。

リゾット (Risotto)

イタリアの代表的な米料理。バターで炒めたみじん切りの玉ねぎと米に出汁を加えて炊き、チーズやバター、その他様々な具材を入れて作られます。

その歴史は明らかにされていないものの、イタリア北部では古くから米の栽培が盛んであることからロンバルディア州や、ヴェネト州、ピエモンテ州などが発祥といわれています。

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