

ヴァレニキ (Vareniki)
ウクライナやロシアで親しまれているデザート。小麦粉を練った生地にサクランボやブルーベリー、いちごなど様々な具材を包み茹でたもので、朝食として食されることもあります。セイボリー系のヴァレニキには、肉類やじゃがいも、キャベツ、チーズなどの具材が入ったものがあります。

シルニキ (Syrniki)
カッテージチーズが入った生地を丸く成形し、バターで揚げて作られるミニパンケーキ。朝食や軽食として食されることが一般的で、ジャムやサワークリーム、ハチミツ、練乳などと一緒に食べます。ロシアの他にも、ウクライナや東欧諸国で広く親しまれています。

ナポレオンケーキ (Napoleon Cake)
ロシアの伝統的なケーキ。フランスの郷土菓子“ミルフィーユ”が原型で、1812年ナポレオンのロシア遠征(祖国戦争)の100周年を記念して作られるようになりました。全体を覆うように装飾された細かいパン粉はロシアの雪を表現しており、当初はナポレオンの三角帽を象ったケーキが作られたそう。

ブリヌイ (Blini)
そば粉の生地を薄く焼いたロシアのパンケーキ。ジャムやサワークリームを塗ったり、イクラやサーモンを包んだりしていただきます。
ブリヌイは、ロシアの春を迎える祭り「マースレニツァ (Mасленица)」では欠かせない料理としても知られており、その丸い形状は太陽を象徴しているといわれています。
マースレニツァは、古代スラブの伝統的な祭りで、10世紀にロシアがキリスト教を受けれる以前から伝えられてきました。木の枝や藁で作られた「マースレ二ツァ人形」を燃やして冬に別れを告げ、春の訪れをお祝いします。

クティア (Kutia)
クリスマスの定番メニューのひとつ。小麦やナッツ、ドライフルーツ、はちみつなどから作られるもので、クリスマスイブの夕食の一品として提供されます。ロシアの他にも、ベラルーシやポーランド、ウクライナなど広い地域で親しまれています。

メドヴィク (Medovik)
ロシアのハチミツケーキ。19世紀初頭、ロシア皇帝アレクサンドル1世の妻・エリザヴェータのために作られたのがはじまりだといわれています。
皇后はハチミツが苦手だったため、彼女にハチミツの入った料理を提供することは禁じられていたものの、ある時新入りの若い菓子職人がこの事情を知らずにハチミツとサワークリームを使ったケーキを提供してしまいました。ハチミツが入っていることを知らなかった皇后は、すっかりこのケーキを気に入ったのだとか。

プティチエ・モロコ (Ptichye Moloko)
「鳥のミルク」を意味するロシアのケーキ。ポーランドの菓子職人によって作られた「プタシエ・ムレツコ(Ptasie Mleczko)」と呼ばれるスフレ菓子が原型とされており、1978年、モスクワの有名なレストラン「プラハ(Praga)」のパティシエだったウラジーミル・グラルニク氏(Vladimir Guralnik)によって考案されました。

プリャーニク (Prianik)
シナモンやショウガ、カルダモン、ナツメグなど様々なスパイスが入ったロシアの焼き菓子。生地の表面には繊細な模様が施されており、中にはジャムやナッツ、練乳などが入っているのが一般的です。
1,000年以上にわたって作られてきた歴史があり、ロシア西部・トゥーラはプリャーニクの名産地として知られています。

スメタンニク (Smetannik)
「スメタナ」と呼ばれるロシアの伝統的なサワークリームを用いたケーキ。プレーンの生地やココアパウダーを加えた生地とスメタナを何層も重ね合わせて作られます。
仕上げには、スメタナや刻んだナッツなどをふんだんに用いて生地の表面を覆います。お好みですりおろしたチョコレートやフルーツなどをトッピングすることもあります。

オラディ (Oladyi)
ケフィール(またはヨーグルト)や小麦粉、卵、ベーキングパウダーなどから作られるロシアのミニパンケーキ。「スメタナ」と呼ばれるサワークリームやジャム、ハチミツ、コンデンスミルクなどお好みのトッピングをかけて食されます。
その歴史は長く、16世紀に書かれたロシアの家庭訓『ドモストロイ (Домостро́й)』に、オラディに関する記述が残されています。ロシアをはじめ、ウクライナやベラルーシなどの国でも親しまれています。

シャルロートカ (Sharlotka)
ロシアのリンゴのケーキ。英国の「アップル・シャーロット」が原型だといわれており、ロシア版は19世紀にロシア皇帝・アレクサンドル1世に仕えたフランスの偉大なシェフ、アントナン・カレーム氏によって考案されたといわれています。
当時はババロワやビスキュイ生地などが用いられた豪華なもの (シャルロット・リュス / Charlotte Russe) が作られていましたが、広く普及されるとともに簡素化され、現在の形になったと考えられています。
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