Traditional Cuisines in Europe – ヨーロッパの伝統的な料理 –

アイリッシュシチュー (Irish Stew)、アイルランド

アイルランドの伝統的な家庭料理。19世紀初頭に登場した料理で、当初はマトンやタマネギ、じゃがいもなどシンプルな材料で作られましたが、後にラムや牛肉、その他の野菜が追加されました。ただし、材料やレシピが各家庭によって若干異なり、家庭の数だけレシピがあるともいわれています。

ドルマ (Dolma)、アルメニア

中央アジア~北アフリカまで広く親しまれている料理。米やひき肉、香味野菜などをブドウの葉やキャベツの葉で包んで作られます。その歴史は古く、オスマン帝国時代には領土拡大とともに広い地域へ伝わっていったとされています。

アルメニア西部の都市・アルマヴィルでは、毎年様々な種類のドルマが楽しめる「ドルマ・フェスティバル」が行われます。

フィッシュアンドチップス (Fish and Chips)、イギリス

イギリスを代表する料理の一つ。白身魚のフライにポテトフライが添えられたシンプルな料理で、ファストフードとして親しまれています。

産業革命による鉄道網の整備で迅速に鮮魚が輸送できるようになったため、安価で腹持ちの良いフィッシュ・アンド・チップスは労働者階級を中心に普及されるようになりました。

パスタ (Pasta)、イタリア

マカロニ、ペンネ、スパゲッティ、ラザニアなど小麦粉を水や卵で練ったイタリアの麺類の総称。パスタはイタリアの代表的な主食であり、国内にはおよそ300を超える種類のパスタがあるとされています。

その起源は明らかになっていないものの、古代ローマ時代に食されていた「プルス」と呼ばれる料理が原型であるといわれています。

現在のようなソースと絡めて食べるパスタ料理が普及し始めたのは16世紀の大航海時代。新大陸からトマトが持ち込まれ、トマトとパスタの相性の良さから、17世紀以降広く親しまれるなったそうです。

カラヴァイ (Korovai)、ウクライナ

ロシアをはじめ、ウクライナ、ブルガリアなどの地域で作られる結婚式のパン。キリスト教以前の時代から伝わる伝統的なパンで、生地の表面には細やかな装飾が施されています。

カラヴァイの形は太陽を模した円形をしており、サイズが大きければ大きいほど幸せな結婚生活を贈ることができると信じられています。

ウィンナーシュニッツェル (Wiener Schnitzel)、オーストリア

子牛肉の薄切りにパン粉を付けて揚げたオーストリア・ウィーンの名物料理。その歴史には諸説ありますが、1857年頃オーストリアの陸軍元帥ラデツキーによってイタリアからレシピが持ち込まれたのが始まりであるといわれています。

ピタ (Pita)、ギリシャ

地中海沿岸、中東、北アフリカなど広い地域で食べられている平たく円形のパン。生地の中は空洞になっており、半分に切ったピタに肉や野菜を挟んでサンドイッチのようにしていただくのが一般的です。

紀元前2500年頃に中東で初めて作られたとされる世界で最も古いパンの一つであり、その名称はヘブライ語で「アラブのパン」、ギリシャ語で「パン」または「パイ」を意味します。

ラクレット (Raclette)、スイス

スイス・ヴァレー州で親しまれている料理。チーズの断面を直火で温め、溶けた部分を削いでじゃがいもなどに絡めて食べます。

もともとヴァレー州の山岳地帯に住んでいた人々が焚火のそばでチーズを溶かして食べていたのがはじまりだそうです。現在は専用の器具を使用してチーズを溶かすのが主流となっています。

クネッケブレッド (Knäckebröd)、スウェーデン

スウェーデンで親しまれている平たいクラッカー状のパン。バターやハム、野菜をのせたオープンサンドにして朝食に食べられるのが一般的です。数百年の歴史があると言われており、その名称は「パリッ」と音を立てることを意味する「クラッケン」に由来するそうです。

スモーブロー (Smørrebrød)、デンマーク

デンマークの伝統的なオープンサンド。デンマーク語で「バターを塗ったパン」を意味するもので、ライ麦にニシンやローストビーフ、チーズ、卵などさまざまなトッピングを載せていただきます。19世紀、農業労働者の間で考案され、トッピングの多くは前夜の残り物が使用されていました。

プレッツェル (Pretzel)、ドイツ

独特な結び目の形が印象的なドイツ発祥のパン。世界で広く親しまれており、地域や行事によって様々なフレーバーのものがあります。

その歴史は諸説ありますが、12世紀に描かれた挿絵にはプレッツェルが描かれており、少なくともその頃には存在していたことが分かります。

グヤーシュ (Goulash)、ハンガリー

牛肉や玉ねぎ、じゃがいもなどを煮込んだハンガリーのシチュー。その名称はハンガリー語で“Gulya(牛の群れ)”、“Gulyas(牛飼い)”を意味する言葉で、農夫の料理がルーツであるといわれています。

現在ではヨーロッパで広く親しまれており、各地域の食材や食文化と融合した独特なグヤーシュをいただくことができます。

ヘルネケイット (Hernekeitto)、フィンランド

フィンランドの豆のスープ。伝統的に毎週木曜日に食べる習慣があり、「木曜日のスープ」とも呼ばれています。これはフィンランドにカトリックが普及していた13世紀頃からの習わしであり、金曜日の断食を乗り切るために栄養価の高い豆のスープが食されるようになったといわれています。

クロワッサン (Croissant)、フランス

フランスの三日月型のパン。フランスを代表する食べ物の一つですが、その起源はオーストリアにあるそう。

1683年、トルコ軍を打ち破ったウィーンで、トルコの国旗の三日月になぞらえたパンが作られ、フランス王ルイ16世の元に嫁いだマリー・アントワネットによってフランスに伝えられたといわれています。

ビーフ・ストロガノフ (Beef Stroganoff)、ロシア

ロシア料理の一つ。牛肉・玉ねぎ・マッシュルームを炒めて、サワークリームが入ったソースで煮込んだ料理です。19世紀ロシア帝国時代に貴族ストロガノフ家の料理長が考案したといわれています。(諸説あり)

ロシアではパスタにかけたり、マッシュポテトを添えたりして食べるのが一般的です。

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