ヴォロヴァン (Vol au Vent)
フランスの伝統的な軽食。パイ生地の器に、ソースを絡めた具材を詰めて焼いた料理で、その名称は “風に舞う”を意味します。(生地が非常に軽いため)19世紀、フランスの偉大な料理人 “アントナン・カレーム”によって考案されたといわれており、軽食か前菜として提供されることが多いそう。
クロワッサン (Croissant)
フランスの三日月型のパン。フランスを代表する食べ物の一つですが、その起源はオーストリアにあるそう。1683年、トルコ軍を打ち破ったウィーンで、トルコの国旗の三日月になぞらえたパンが作られ、フランス王ルイ16世の元に嫁いだマリー・アントワネットによってフランスに伝えられたといわれています。
ポトフ (Pot au Feu)
フランス語で「火にかけた鍋」を意味するフランスの家庭料理。鍋にブロックの牛肉、野菜類、香辛料を入れ、長時間煮込んで作られます。その起源には諸説ありますが、古くから農民の冬の定番料理の一つとして親しまれていたといわれています。
16世紀頃のフランスは、宗教戦争の影響で人々の生活は困窮していましたが、フランス国王アンリ4世が「いかに貧しい農民であっても毎週日曜日に “Poule au pot”を食べられるようであってほしい」と鶏のポトフを推奨した有名なエピソードが残されています。
ガレット (Galette)
フランス・ブルターニュ地方で作られるパンケーキの一種。薄く焼いたソバ粉の生地にハムやチーズ、卵などを包んで食べる料理で、その起源は12~13世紀頃に十字軍がアジアからソバをフランスに持ち帰ったのがはじまりだとされています。ガレットと一緒にリンゴの発泡酒・シードルを頂くのが、この地の伝統的な食べ方なのだそうです。
ブイヤベース (Bouillabaisse)
フランス・マルセイユ発祥のスープ料理。魚介類を煮込み、トマトやサフランなどで色と香りを付けて作られます。その起源は、マルセイユの漁師たちが売れ残りの魚を煮込んで作ったのがはじまりであるとされていますが、古代ギリシャでも作られていたという説もあります。
現在マルセイユには、「ブイヤベース憲章」と呼ばれる市の公認レシピがあり、ブイヤベースに用いる魚介類の種類や数などについて記されています。
シャルロット (Charlotte)
フランスの伝統的なお菓子。細長いビスキュイ生地の中に、ババロワやフルーツを流し込み、冷やして固めたもの。その名称は、英国王ジョージ3世の王妃 “ソフィア・シャーロット”が身に着けていたボンネット風の婦人帽に似ていることに由来します。(諸説あり)
ミルフィーユ (Mille Feuilles)
何層にもなったパイ生地とカスタードクリームを交互に重ねて作られたフランスの郷土菓子。フランス語で「1000枚の葉」という意味で、パイ生地の層が重なった葉っぱのように見えることに由来しています。
いちごで飾られたミルフィーユは、かのナポレオンかぶっていた二角帽に似ていることから、「ナポレオンパイ」とも呼ばれています。
ブレデレ (Bredele)
フランス・アルザス地方で親しまれているクリスマスクッキー。バターやシナモン、アニス、クルミ、ヘーゼルナッツなど様々な種類のものがあり、アドベント(イエス=キリストの降誕を迎えるための準備期間)の時期に各家庭で作られます。
その歴史は14世紀頃にさかのぼるとされており、フランスにクッキーの型が伝わった18~19世紀頃に広く親しまれるようになったのだそうです。
カヌレ (Canelé)
フランス南西部・ボルドー地方の伝統的なお菓子。小麦粉や牛乳、バター、砂糖、卵、ラム酒などで作られた生地を、蜜ろうが塗られた型に入れ、オーブンで焼き上げて作られます。その起源には諸説ありますが、18世紀頃にボルドーにある修道院の修道女たちによって生み出されたという説が定説とされています。
マカロン (Macarons)
アーモンドパウダーや卵白、砂糖などから作られるフランスの焼き菓子。発祥は16世紀頃のイタリアだと考えられており、フランス王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによってイタリアからフランスに伝えられたといわれています。
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