

プレッツェル (Pretzel)
独特な結び目の形が印象的なドイツ発祥のパン。世界で広く親しまれており、地域や行事によって様々なフレーバーのものがあります。その歴史は諸説ありますが、12世紀に描かれた挿絵にはプレッツェルが描かれており、少なくともその頃には存在していたことが分かります。

ザワークラウト (Sauerkraut)
千切りキャベツを塩漬けにして発酵させたドイツの漬物。肉料理の付け合わせとして、またサンドイッチやホットドッグの具材として用いられるのが一般的です。
古代ローマや中国ではすでにキャベツを乳酸発酵させたものが食されていたと考えられており、中世より中央アジアからヨーロッパへ広く伝わったとされています。
有名なエピソードとして、イギリスの海軍士官、ジェームズ・クック氏の話があります。当時、長い期間海の上で過ごさなければならない乗組員たちが最も恐れた病気が壊血病でした。
これはビタミン不足によって引き起こされる疾患で、クック氏がビタミン補給のためにザワークラウトを彼らに食べさせたことで発症を防いだと伝えられています。

グーゲルフプフ (Gugelhupf)
オーストリアやドイツ、フランスのアルザス地方で親しまれているリング状のケーキ。その歴史には諸説ありますが、ニーダーエスターライヒ州のカルヌントゥム遺跡でグーゲルフップフの型に似た陶器が出土していることから、古代ローマ時代には作られていたのではないかと言われています。
後にオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフが好んで食べていたことで、上流階級を中心に高級菓子として広まるようになりました。
かのマリー・アントワネットがフランス国王ルイ16世へ嫁ぐ際に、グーゲルフップフをフランスに持ち込んだという逸話が残されていますが、専門家の中にはフランス発祥説を唱える人もいるようです。

シュトレン (Stollen)
ドイツの伝統的なクリスマスケーキ。ドライフルーツやナッツ、カルダモン、シナモンなどが入った生地を焼き上げ、全体を覆うように粉砂糖をまぶして作られます。その発祥はザクセン州・ドレスデンであるといわれており、この地では例年第2アドヴェントの土曜日にシュトレン祭りが開催されます。
白い粉砂糖がたっぷりかかったその様子は、生まれたばかりのイエスを毛布でくるんだ姿ともいわれています。

レープクーヘン (Lebkuchen)
ハチミツやスパイス入りのドイツのクリスマスクッキー。とりわけ、クリスマスマーケットの屋台で販売され、アイシングで装飾が施されたハート形のレープクーヘンは多く出回ります。
その起源は紀元前350年の古代エジプトで作られていたハチミツ入りのパンが原型だといわれており、13世紀頃フランケン地方の修道院で現在のような形のレープクーヘンが作られるようになったとされています。