

グリッシーニ (Grissini)
イタリア・トリノ発祥とされるスティック状のパン。前菜やおつまみとして提供されることが多く、ローズマリーやゴマ等で風味付けしたり、生ハムに包んだりして頂きます。17世紀頃、病弱だったイタリア王家・サヴォイア家ヴィットーリオ・アメデーオ2世のために考案されたのが始まりであるといわれています。
かのフランス皇帝・ナポレオンもグリッシーニを「小さいトリノの棒」と呼んで好んで食べていた記録も残されているそう。

パネットーネ (Panettone)
生地にドライフルーツが入ったドーム型のパン菓子。ミラノ発祥のお菓子として知られ、イタリアではクリスマスの時期に食べる習慣があります。
その歴史には諸説あり、パネットーネにまつわる様々な逸話が残されています。中でも最も有名な逸話の一つは、15~16世紀頃ミラノを統治していたスフォルツァ家の話です。
ミラノ公 ルドヴィーコ・スフォルツァ (Ludovico il Moro)の宮廷のシェフがクリスマスの晩餐会の準備中に失敗してしまったドルチェの代わりに、見習いの少年・トニによって即席で作られたケーキが供されました。
図らずもそのケーキは大いに好評を得たため、ルドヴィーコ氏は彼に敬意を表してケーキの名前を「パン・ディ・トニ」と名付けたのだそうです。

コルネット (Cornetto)
イタリア版「クロワッサン」。北イタリアでは「ブリオッシュ」の名称で呼ばれています。粉砂糖がかかっていたり、ジャムやクリーム、チョコレートが入っていたりと多種多様なものがあり、コルネットとカプチーノ (またはエスプレッソ) は朝の定番メニューとして親しまれています。
その原型は、オーストリアの三日月型のパン「キプフェル」であるとされ、17世紀頃にウィーンから当時のヴェネツィア共和国に伝わったといわれています。

コロンバ パスクワーレ (Colomba Pasquale)
キリスト教のイースターの時期に食されるイタリアの甘いパン。オレンジピールが練りこまれた生地に、フロストシュガーやアーモンドなどをトッピングして作られます。平和の象徴として知られる鳩の形をしており、その名称はイタリア語で「復活祭の鳩」を意味します。

マリトッツォ (Maritozzo)
切り込みを入れたパン生地に、ホイップクリームを詰めたパン菓子。朝食としてコーヒーとともに食されることが一般的です。伝統的にはオレンジピールやレーズン、松の実などが入ったパンが用いられます。
その歴史は古代ローマにまでさかのぼり、かつては婚約者に指輪や宝石を入れたマリトッツォを贈る習慣があったと考えられています。マリトッツォを贈られた女性たちは贈り主を“Marito (夫)”の俗称である“Maritozzo”と呼び、これが名称の由来となったといわれています。
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