Variety of Cakes in Europe – ヨーロッパのケーキ –

チョコレートギネスケーキ (Chocolate Guinness Cake)、アイルランド

アイルランド発祥の黒ビール・ギネスビールを用いたチョコレートケーキ。生地の上にはクリームチーズのフロスティングが施されていることが多く、ギネスビール以外の黒ビールを使ったものもあります。

日常的に親しまれているデザートですが、アイルランドの祝日/セントパトリックスデー(3月17日)にも食べる習慣があります。

ビクトリアスポンジ (Victoria Sponge)、イギリス

イギリスの代表的な郷土菓子の一つ。19世紀イギリス王室のシェフが考案したスポンジケーキで、かのヴィクトリア女王が“オズボーンハウス”(王室の離宮)のティータイムに楽しんでいたといわれています。

ビクトリアスポンジケーキは、当初ジャムを挟んだだけのシンプルなものでしたが、現在はクリームや果物が使用されているものが一般的です。

カッサータ (Cassata)、イタリア

イタリア・シチリア発祥の伝統的なアイスクリームケーキ。リコッタチーズとスポンジケーキをマジパンで包み、アイシング(糖衣)やシロップ漬けのフルーツで華やかに飾り付けられたデザートです。その起源には諸説あるものの、9世紀初頭シチリアを侵攻してきたアラブ人たちから伝わったといわれています

キーウケーキ (Kyiv Cake)、ウクライナ

ウクライナの首都・キーウで名物のケーキ。メレンゲとナッツの層になった生地の側面にヘーゼルナッツが散りばめられ、上部には色とりどりのバタークリームで装飾が施されています。

その歴史は1956年、キーウにあった「カールマルクス製菓工場」(現在の製菓会社ロシェン)で作られたのがはじまりだといわれています。

ザッハートルテ (Sachertorte)、オーストリア

世界的に知られているオーストリア・ウィーンの名物。アプリコットジャムが塗られたチョコレートスポンジ生地を、チョコレートの糖衣で覆ったケーキで、1832年オーストリアのパティシエ/フランツ・ザッハーによって考案されました。5つ星ホテルのホテル・ザッハーや洋菓子店デメルでは本場の味を楽しむことができます。

トンプース (Tompouce)、オランダ

オランダの郷土菓子のひとつ。パイ生地にカスタードクリームが挟まっているお菓子で、生地の表面にはピンク色のアイシングがコーティングされています。キングスデー(国王の日)などの祝日には、オランダのナショナルカラーであるオレンジ色のアイシングで覆われたトンプースが店頭に並びます。

ポルトカロピタ (Portokalopita)、ギリシャ

ギリシャのオレンジケーキ。細かく切った乾燥フィロ生地やギリシャヨーグルト、オレンジ果汁、卵などをオーブンで焼き上げ、仕上げにオレンジで風味付けしたシロップをかけて作られます。アイスクリームと一緒に供されることもあります。

クレームシュニッタ (Kremšnita)、クロアチア

カスタードクリームとメレンゲが2層になったクリームをパイ生地で挟んだケーキ。クロアチアをはじめ、中央ヨーロッパ諸国で広く親しまれているお菓子ですが、クロアチアではサモボルの名物としても知られています。他の地域では冷たいデザートとして供されますが、サモボルでは温かくして食べるのが特徴です。

ヴィーエ (Wähe)、スイス

スイスのタルト。アプリコットやルバーブ、りんごなどの季節の果物の他、チーズやほうれん草など多種多様なものがあります。復活祭(イースター)の40日前から始まる“四旬節”は肉食を断つ習慣があり、かつてヴィーエはこの期間中に食されることが多かったそう。

プリンセストータ (Prinsesstårta)、スウェーデン

クリームやジャムとスポンジケーキの層をマジパンで包んだスウェーデンのケーキ。スウェーデンの王族・カール王子の3人娘の家政学教師が記した著書“Prinsessornas kokbok”(1929年)に掲載されたのが最初のレシピであるといわれています。

当初は「緑色のケーキ(grön tårta)」と呼ばれていましたが、3人娘の王女たちが好んで食べていたことから後に「プリンセスケーキ」(Prinsesstårta)と名付けられました。

ダンディーケーキ (Dundee Cake)、スコットランド

スコットランドの港湾都市・ダンディー発祥のフルーツケーキ。小麦粉やバター、砂糖、サルタナ(種なしブドウの一種)や砂糖漬けのオレンジピールなどから作られ、生地の表面にアーモンドの飾りが施されているのが特徴です。

19世紀頃にダンディー市のマーマレードメーカー “Keiller’s” によって生み出されたという説が通説とされていますが、フルーツケーキにサクランボが入っているのを好まなかったスコットランド女王メアリーのために16世紀にこのケーキが作られたという説も存在します。

ロスコン・デ・レジェス (Roscon de Reyes)、スペイン

スペインのクリスマスのお菓子。ドーナツ型の生地に砂糖漬けしたフルーツやナッツが散りばめられたケーキで、1月6日の公現祭(3名の賢者がキリストの誕生を祝福した日)に食されます。ケーキの中には陶器の人形や豆が入っており、前者は幸運が訪れ、後者はロスコンの代金を支払わなければならないルールがあるそう。

プレクムルスカ・ギバニツァ (Prekmurska Gibanica)、スロベニア

生地の中にカッテージチーズやケシの実、クルミ、りんごなどの層が重ねられたスロベニアのケーキ。もともとはスロベニア北東部・プレクムリエ地方で知られるお菓子でしたが、現在では国内で広く親しまれています。2010年にはEUが定める「伝統的特産品保証」(TSG) に登録されました。

レシピの正確な起源は明らかにされていませんが、現存する最古の記録として1828年に司祭ヨジェフ・コシッチ氏 (Jožef Kosič) によって編纂された文書があり、当時プレクムルスカ・ギバニツァは、結婚式の際や大きな仕事をしている労働者に供されていたのだそうです。

ブブラニナ (Bublanina)、チェコ

チェコの夏のフルーツケーキ。さくらんぼやイチゴ、ブルーベリー、アプリコットなどのフルーツをのせたスポンジ生地をオーブンで焼き上げて作られるもので、仕上げに粉砂糖を振りかけて供されます。その名称は、チェコ語で「泡」を意味する “Bublina” が語源であるため、英語で “Bubble Cake” とも呼ばれています。

ラウケーエ (Lagkage)、デンマーク

「層になったケーキ」を意味するデンマークのケーキ。スポンジ生地とクリームやジャムなどのフィリングを交互に重ねたものにホイップクリームや果物などを飾って作られます。誕生日や記念日などの特別な機会に供されるのが一般的です。

シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ (Schwarzwälder Kirschtorte)、ドイツ

キルシュヴァッサー(さくらんぼの蒸留酒)を染み込ませたスポンジ生地にさくらんぼとチョコレートで飾り付けをしたドイツのケーキ。ドイツ南西部、シュヴァルツヴァルト地方の黒い森をイメージして作られており、ドイツ語で「黒い森のサクランボケーキ」を意味しています。

クヴァフィヨルドカーケ (Kvæfjordkake)、ノルウェー

スポンジ生地、バニラクリーム、メレンゲからなるノルウェーのケーキ。生地の表面にはアーモンドスライスが振りかけられています。別名 “Verdens Beste” とも呼ばれ、これはノルウェー語で「世界最高」を意味します。その起源は1930年頃、トロムス県・クヴァフィヨルド出身の姉妹が経営するカフェで生み出され、2002年には国営ラジオ番組 “Nitimen”で国民的なケーキに選ばれました。

ドボシュトルタ (Dobostorta)、ハンガリー

ハンガリーのケーキ。薄いスポンジケーキとチョコレートバタークリームが交互に重ねられたもので、生地の表面はカラメルで覆われています。ハンガリー人菓子職人ドボシュ・C・ヨージェフ氏(Dobos C. József)によって考案されたと言われており、1885年ブダペストで開かれた展示会で提供されたことを機に広く知られるようになりました。

当時この展示会で、オーストリアの皇帝とハンガリーの国王を兼ねたフランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリーザベトもドボシュトルタを食したといわれています。

シャルロット (Charlotte)、フランス

細長いビスキュイ生地の中に、ババロワやフルーツを流し込み、冷やし固めて作られるデザート。英国の「アップル・シャーロット」が原型だといわれており、フランスの偉大なシェフ、アントナン・カレーム氏が19世紀にロシア皇帝・アレクサンドル1世に仕えた際に考案されたといわれています。

その名称は諸説ありますが、英国王ジョージ3世の王妃 ソフィア・シャーロットが身に着けていたボンネット風の婦人帽に似ていることに由来します。

メルヴェイユ (Merveilleux)、ベルギー

フランス語で「素晴らしい」を意味するベルギー発祥のケーキ。メレンゲ生地の周りをホイップクリームと細かく削ったチョコレートで覆って作られます。18~19世紀頃にベルギーの菓子店で生み出されたと考えられており、後にフランス北部にも伝わりました。フランスのものは、ホイップクリームの代わりにバタークリームが用いられている点で異なります。

マズレク (Mazurek)、ポーランド

イースターの時期に作られるポーランドのフラットケーキ。平らな生地にクリームやナッツ、ドライフルーツなどで華やかに装飾が施されたお菓子で、多くの場合その装飾はイースターをモチーフにしたデザインが描かれています。

ポーランド中部・クヤヴィ・ポモージェ県のマズレクは、ポーランド農業農村開発省によって伝統的製品リストに登録されています。

ボーロ・デ・メル (Bolo de Mel)、ポルトガル

ポルトガル・マデイラ島のケーキ。生地にはアニスやシナモン、クローブなどのスパイスやハチミツが用いられ、伝統的にクリスマスの時期に食べる習慣があります。その歴史は15~16世紀頃、マデイラ島の修道院で作られたのがはじまりであるといわれています。食べる際はケーキをカトラリーを使用せず手で割り、マデイラワインと合わせるのが作法とされています。

アマンディーヌ (Amandină)、ルーマニア

ルーマニアのチョコレートケーキ。ラム酒が香る風味豊かなケーキで、スポンジ生地の中には、チョコレートクリームもしくはアーモンドクリームが挟まれています。

世界中の食材や料理、レストランを紹介するウェブサイト “Tasteatlas”によれば、アマンディーヌは1960年代よりルーマニアの菓子店で供され、親しまれるようになったのだとか。

ナポレオンケーキ (Napoleon Cake)、ロシア

ロシアの伝統的なケーキ。フランスの郷土菓子“ミルフィーユ”が原型で、1812年ナポレオンのロシア遠征(祖国戦争)の100周年を記念して作られるようになりました。全体を覆うように装飾された細かいパン粉はロシアの雪を表現しており、当初はナポレオンの三角帽を象ったケーキが作られたそう。

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