A Variety of Pancakes From Around the World – 世界のパンケーキ –

ボクスティ (Boxty)、アイルランド

アイルランドの伝統的なポテトパンケーキ。細かくすりおろしたジャガイモやバター、小麦粉などから作られるもので、そのままいただくこともあれば、生地に肉や野菜を巻いていただくこともあります。アイルランドの祝日・聖ブリジットの日(2月1日)の定番料理としても知られています。

スィルニキ (Syrnyky)、ウクライナ

カッテージチーズを使用して作られたウクライナのパンケーキ。おやつや朝食として食されることが多く、ジャムやサワークリームと一緒にいただきます。ロシアやウクライナをはじめ、東欧諸国で親しまれています。

ポッフェルチェ (Poffertjes)、オランダ

オランダの伝統的なミニパンケーキ。小麦粉やそば粉、酵母の生地を焼き上げて作られるお菓子で、街中の屋台で販売されることが多いです。焼きたてのポッフェルチェには、粉砂糖やバターや糖蜜、ホイップクリームなど様々なトッピングをかけていただきます。

クリスマスと年末年始には欠かせない存在で、この時期になるとクリスマスマーケットや屋台で特に多く提供されます。

レシュティ (Rösti)、スイス

スイスのポテトのパンケーキ。スイスの国民食として親しまれている料理で、卵・チーズをのせたり、野菜・ベーコンを混ぜたりなどバリエーションもさまざまなものがあります。

もともとスイス中西部・ベルン州の農民が朝食として食していたという説がありますが、実際はレシュティの起源に関して明確に記された資料や文献は見つかっていないそうです。

フレスクパンカーカ (Fläskpannkaka)、スウェーデン

スウェーデンのパンケーキ。薄切りにした豚肉もしくはベーコンが入った生地を焼き上げた料理で、コケモモジャム(リンゴンベリージャム)と一緒に食べるのが一般的です。

よく目にする丸く平たいパンケーキとは異なり、生地は分厚くオーブンで焼いて作られるのが特徴です。その名称はスウェーデン語で“Fläsk”=「豚肉」 、“Pannkaka”=「パンケーキ」を意味します。

ガレット (Galette)、フランス

フランス・ブルターニュ地方で作られるパンケーキの一種。薄く焼いたソバ粉の生地にハムやチーズ、卵などを包んで食べる料理で、その起源は12~13世紀頃に十字軍がアジアからソバをフランスに持ち帰ったのがはじまりだとされています。ガレットと一緒にリンゴの発泡酒「シードル」を頂くのが、この地の伝統的な食べ方なのだそうです。

ドラニキ (Draniki)、ベラルーシ

ベラルーシで親しまれているジャガイモのパンケーキ。すりおろしたジャガイモに卵と小麦粉を加え、フライパンでカリカリに焼き上げます。 ひき肉を加えたり、ニンニクで香り付けしたりアレンジには様々なものがあり、サワークリームと一緒にいただきます。

ラツーシュキ (Racuszki)、ポーランド

ポーランドのりんごが入ったパンケーキ。りんごの生産量がヨーロッパで一番多いポーランドでは、りんごを使用したデザートや料理が多くあります。また、ポーランドでは主食といえるほど食べられているじゃがいもと小麦粉で作る「プラツキ」というパンケーキも朝ごはんとしてよく食べられています。

ブリヌイ (Blini)、ロシア

そば粉の生地を薄く焼いたロシアのパンケーキ。ジャムやサワークリームを塗ったり、イクラやサーモンを包んだりしていただきます。

ブリヌイは、ロシアの春を迎える祭り「マースレニツァ (Mасленица)」では欠かせない料理としても知られており、その丸い形状は太陽を象徴しているといわれています。

マースレニツァは、古代スラブの伝統的な祭りで、10世紀にロシアがキリスト教を受けれる以前から伝えられてきました。木の枝や藁で作られた「マースレ二ツァ人形」を燃やして冬に別れを告げ、春の訪れをお祝いします。

ヴィトゥンブア (Vitumbua)、タンザニア

タンザニアのミニパンケーキ。ココナッツミルクや米粉、砂糖、カルダモンなどを混ぜ合わせ、一口サイズに生地を焼くことができる専用のフライパンで焼いて作られます。露店で供されていることが多く、朝食に食べられるのが一般的です。

パグリール (Baghrir)、モロッコ

モロッコのパンケーキ。表面に小さな穴がたくさん空いているのが特徴で、生地はセモリナ粉(デュラム小麦を粗挽きした粉)で使用して作られます。バターやはちみつをたっぷりと染み込ませていただきます。

ホットク (Hotteok)、韓国

小麦粉の生地で黒砂糖や蜂蜜などを包み、平たく焼き上げた韓国のパンケーキ。その起源は19世紀後半、韓国に移民してきた中国商人によって生み出されたのが始まりであるといわれています。

市場や屋台の定番の軽食としても知られ、甘いもののみならず中にナッツやチャプチェが入ったセイボリー系のものまで種類豊富にあります。

バインカン (Bánh Căn)、ベトナム

ベトナム中南部で親しまれている一口大のパンケーキ。米ねり粉の生地に、エビや豚肉、ウズラの卵、ネギなどをトッピングして専用の型で焼き上げます。魚醤や唐辛子、にんにくなどが入ったソースに付けていただくのが一般的です。

その起源は明らかにされていませんが、ベトナム南部,カンボジアに散在する住民・チャム族の料理から独自に変化を遂げたといわれています。

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