A Variety of World Cakes – 世界のケーキ –

チョコレートギネスケーキ (Chocolate Guinness Cake)、アイルランド

アイルランド発祥の黒ビール・ギネスビールを用いたチョコレートケーキ。生地の上にはクリームチーズのフロスティングが施されていることが多く、ギネスビール以外の黒ビールを使ったものもあります。

日常的に親しまれているデザートですが、アイルランドの祝日/セントパトリックスデー(3月17日)にも食べる習慣があります。

カッサータ (Cassata)、イタリア

イタリア・シチリア発祥の伝統的なお菓子。リコッタチーズとスポンジケーキをマジパンで包み、アイシング(糖衣)やシロップ漬けのフルーツで華やかに飾り付けられたデザートです。その起源には諸説あるものの、9世紀初頭シチリアを侵攻してきたアラブ人たちから伝わったといわれています。

キャロットケーキ (Carrot Cake)、イギリス

イギリスの伝統菓子。中世の時代、砂糖は大変貴重だったためその代用として人参が用いられたことが始まりであるといわれています。(=キャロットプディング)

第二次大戦中、砂糖の入手が困難になったことでキャロットケーキが再流行し、1960~1970年代にはヨーロッパ・アメリカでも親しまれるようになりました。

キーウケーキ (Kyiv Cake)、ウクライナ

ウクライナの首都・キーウで名物のケーキ。メレンゲとナッツの層になった生地の側面にヘーゼルナッツが散りばめられ、上部には色とりどりのバタークリームで装飾が施されています。

その歴史は1956年、キーウにあった「カールマルクス製菓工場」(現在の製菓会社ロシェン)で作られたのがはじまりだといわれています。

カーディナルシュニッテ (Kardinalschnitte)、オーストリア

オーストリア・ウィーンを代表する郷土菓子。メレンゲとスポンジケーキをストライプに焼き上げた生地に、クリームやジャムを挟んだお菓子です。コーヒークリームのものが有名ですが、古くからあるのはフランボワーズジャムの方です。

トンプース (Tompouce)、オランダ

オランダの郷土菓子のひとつ。パイ生地にカスタードクリームが挟まっているお菓子で、生地の表面にはピンク色のアイシングがコーティングされています。キングスデー(国王の日)などの祝日には、オランダのナショナルカラーであるオレンジ色のアイシングで覆われたトンブースが店頭に並びます。

ポルトカロピタ (Portokalopita)、ギリシャ

ギリシャのオレンジケーキ。細かく切った乾燥フィロ生地やギリシャヨーグルト、オレンジ果汁、卵などをオーブンで焼き上げ、仕上げにオレンジで風味付けしたシロップをかけて作られます。アイスクリームと一緒に供されることもあります。

クレームシュニッタ (Kremšnita)、クロアチア

クロアチアのサモボルで生まれた郷土菓子。カスタードクリームとメレンゲが2層になったクリームをパイ生地で挟んだお菓子です。クロアチアの広い地域で親しまれているものですが、他の地域では冷たく、サモボルでは温かくして食べるのが特徴です。

ツガー・キルシュトルテ (Zuger Kirschtorte)、スイス

スイス中部ツーク発祥のケーキ。地元名産のさくらんぼを使用した蒸留酒・キルシュを染み込ませたスポンジ生地の側面にスライスアーモンド、表面に粉砂糖をふって仕上げます。かのチャーリー・チャップリンやオードリー・ヘプバーンにも愛されたケーキとしても有名です。

ヨードグッブストータ (Jordgubbstarta)、スウェーデン

スウェーデンのイチゴのケーキ。スポンジ生地にバニラクリームやジャムなどを挟み、上からホイップクリームやイチゴなどを飾って仕上げられます。スウェーデン産のイチゴが旬を迎える6月は夏至祭が催される月でもあり、この期間新鮮なイチゴが用いられたヨルグブストータを食べる習わしがあります。

ダンディーケーキ (Dundee Cake)、スコットランド

スコットランドの港湾都市・ダンディー発祥のフルーツケーキ。小麦粉やバター、砂糖、サルタナ(種なしブドウの一種)や砂糖漬けのオレンジピールなどから作られ、生地の表面にアーモンドの飾りが施されているのが特徴です。

19世紀頃にダンディー市のマーマレードメーカー “Keiller’s” によって生み出されたという説が通説とされていますが、フルーツケーキにサクランボが入っているのを好まなかったスコットランド女王メアリーのために16世紀にこのケーキが作られたという説も存在します。

タルタ・デ・サンティアゴ (Tarta de Santiago)、スペイン

スペイン語で「聖ヤコブのケーキ」を意味するガリシア州のお菓子。アーモンドパウダーや卵、砂糖などから作られるケーキで、生地の表面には粉砂糖で聖ヤコブの十字架がかたどられているのが特徴です。聖ヤコブはイエス・キリストの12使徒の一人であり、スペインの守護聖人として知られています。

このケーキの起源は16~18世紀にさかのぼり、当時は砂糖やアーモンドは貴重な食材だったため、裕福な人々の間で食されていました。

プレクムルスカ・ギバニツァ (Prekmurska Gibanica)、スロベニア

生地の中にカッテージチーズやケシの実、クルミ、りんごなどの層が重ねられたスロベニアのケーキ。もともとはスロベニア北東部・プレクムリエ地方で知られるお菓子でしたが、現在では国内で広く親しまれています。2010年にはEUが定める「伝統的特産品保証」(TSG) に登録されました。

レシピの正確な起源は明らかにされていませんが、現存する最古の記録として1828年に司祭ヨジェフ・コシッチ氏 (Jožef Kosič) によって編纂された文書があり、当時プレクムルスカ・ギバニツァは、結婚式の際や大きな仕事をしている労働者に供されていたのだそうです。

ブブラニナ (Bublanina)、チェコ

チェコの夏のフルーツケーキ。さくらんぼやイチゴ、ブルーベリー、アプリコットなどのフルーツをのせたスポンジ生地をオーブンで焼き上げて作られるもので、仕上げに粉砂糖を振りかけて供されます。その名称は、チェコ語で「泡」を意味する “Bublina” が語源であるため、英語で “Bubble Cake” とも呼ばれています。

ラウケーエ (Lagkage)、デンマーク

「層になったケーキ」を意味するデンマークのケーキ。スポンジ生地とクリームやジャムなどのフィリングを交互に重ねたものにホイップクリームや果物などを飾って作られます。誕生日や記念日などの特別な機会に供されるのが一般的です。

ドナウヴェレ (Donauwelle)、ドイツ

ドイツ、オーストリアで親しまれている伝統的なケーキ。サワーチェリー、バタークリーム、ココア、チョコレートなどを使用して作られるもので、名称は「ドナウ川の波」を意味します。生地の色合いがグリム童話「白雪姫」の描写に似ていることから「白雪姫のケーキ」と呼ばれることもあります。

クヴァフィヨルドカーケ (Kvæfjordkake)、ノルウェー

スポンジ生地、バニラクリーム、メレンゲからなるノルウェーのケーキ。生地の表面にはアーモンドスライスが振りかけられています。別名 “Verdens Beste” とも呼ばれ、これはノルウェー語で「世界最高」を意味します。その起源は1930年頃、トロムス県・クヴァフィヨルド出身の姉妹が経営するカフェで生み出され、2002年には国営ラジオ番組 “Nitimen”で国民的なケーキに選ばれました。

ドボシュトルタ (Dobostorta)、ハンガリー

ハンガリーのケーキ。薄いスポンジケーキとチョコレートバタークリームが交互に重ねられたもので、生地の表面はカラメルで覆われています。ハンガリー人菓子職人ドボシュ・C・ヨージェフ氏(Dobos C. József)によって考案されたと言われており、1885年ブダペストで開かれた展示会で提供されたことを機に広く知られるようになりました。

当時この展示会で、オーストリアの皇帝とハンガリーの国王を兼ねたフランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリーザベトもドボシュトルタを食したといわれています。

シャルロット (Charlotter)、フランス

細長いビスキュイ生地の中に、ババロワやフルーツを流し込み、冷やし固めて作られるデザート。英国の「アップル・シャーロット」が原型だといわれており、フランスの偉大なシェフ、アントナン・カレーム氏が19世紀にロシア皇帝・アレクサンドル1世に仕えた際に考案されたといわれています。

その名称は諸説ありますが、英国王ジョージ3世の王妃 ソフィア・シャーロットが身に着けていたボンネット風の婦人帽に似ていることに由来します。

メルヴェイユ (Merveilleux)、ベルギー

フランス語で「素晴らしい」を意味するベルギー発祥のケーキ。メレンゲ生地の周りをホイップクリームと細かく削ったチョコレートで覆って作られます。18~19世紀頃にベルギーの菓子店で生み出されたと考えられており、後にフランス北部にも伝わりました。フランスのものは、ホイップクリームの代わりにバタークリームが用いられている点で異なります。

マズレク (Mazurek)、ポーランド

イースターの時期に作られるポーランドのフラットケーキ。平らな生地にクリームやナッツ、ドライフルーツなどで華やかに装飾が施されたお菓子で、多くの場合その装飾はイースターをモチーフにしたデザインが描かれています。

ポーランド中部・クヤヴィ・ポモージェ県のマズレクは、ポーランド農業農村開発省によって伝統的製品リストに登録されています。

ボーロ・デ・メル (Bolo de Mel)、ポルトガル

ポルトガル・マデイラ島のケーキ。生地にはアニスやシナモン、クローブなどのスパイスやハチミツが用いられ、伝統的にクリスマスの時期に食べる習慣があります。その歴史は15~16世紀頃、マデイラ島の修道院で作られたのがはじまりであるといわれています。食べる際はケーキをカトラリーを使用せず手で割り、マデイラワインと合わせるのが作法とされています。

アマンディーヌ (Amandină)、ルーマニア

ルーマニアのチョコレートケーキ。ラム酒が香る風味豊かなケーキで、スポンジ生地の中には、チョコレートクリームもしくはアーモンドクリームが挟まれています。

世界中の食材や料理、レストランを紹介するウェブサイト “Tasteatlas”によれば、アマンディーヌは1960年代よりルーマニアの菓子店で供され、親しまれるようになったのだとか。

ナポレオンケーキ (Napoleon Cake)、ロシア

ロシアの伝統的なケーキ。フランスの郷土菓子“ミルフィーユ”が原型で、1812年ナポレオンのロシア遠征(祖国戦争)の100周年を記念して作られるようになりました。全体を覆うように装飾された細かいパン粉はロシアの雪を表現しており、当初はナポレオンの三角帽を象ったケーキが作られたそう。

レッドベルベットケーキ (Red Velvet Cake)、アメリカ

ココアパウダーと食用色素で色付けされた生地とクリームが層になったアメリカのケーキ。色鮮やかな赤色が特徴的なケーキで、特にクリスマスやバレンタインデーに多く食されます。その起源は1,800年頃ビクトリア朝時代とされていますが、発祥地については諸説あります。

ボロ・デ・ブリガデイロ (Bolo de Brigadeiro)、ブラジル

ブラジルのチョコレート菓子“ブリガデイロ”で飾られたケーキ。ブリガデイロとは、ポルトガル語で“准将”を意味し、20世紀のブラジルの政治家エドゥアルド・ゴメスに由来します。デザートととしてはもちろん、誕生日パーティーの定番のお菓子としても親しまれています。

1940年代、ゴメス氏が大統領選に出馬した際、資金集めのパーティーで振る舞われたのがこのブリガデイロでした。残念ながら当選には至りませんでしたが、ブリガデイロはブラジルの食卓に欠かせないものとなりました。

パブロワ (Pavlova)、オーストラリア

オーストラリア/ニュージーランドで愛されているお菓子。メレンゲの生地に生クリームとフルーツで飾り付けしたケーキです。1920年代にツアーで訪れたロシア人バレリーナ/アンナ・パブロヴァに提供したことが始まりであるといわれていますが、その起源には諸説あるそう。

ロリーケーキ (Lolly Cake)、ニュージーランド

砕いたビスケットやコンデンスミルク、バターなどを混ぜて作られた生地に、「ロリー」と呼ばれるマシュマロのようなソフトキャンディーが散りばめられたケーキ。すりおろしたココナッツを振りかけ、冷たく冷やしていただきます。

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