Local Desserts in France – フランスの郷土菓子 –

シャルロット・リュス (Charlotte Russe)

細長いビスキュイ生地の中に、ババロワやフルーツを流し込み、冷やし固めて作られるデザート。英国の「アップル・シャーロット」が原型だといわれており、フランスの偉大なシェフ、アントナン・カレーム氏が19世紀にロシア皇帝・アレクサンドル1世に仕えた際に考案されたといわれています。

その名称は諸説ありますが、英国王ジョージ3世の王妃 ソフィア・シャーロットが身に着けていたボンネット風の婦人帽に似ていることに由来します。

パフェ (Parfait)

フランス語で「完璧」を意味するフランス発祥のデザート。シロップや卵、クリームをベースに作られるもので、上からソースやフルーツをトッピングして仕上げられます。

今やアメリカやカナダ、日本など世界で広く親しまれているデザートであり、地域によってバリエーション豊かなパフェが楽しめます。

ミルフィーユ / ナポレオン (Mille Feuilles / Napoleon)

何層にもなったパイ生地とカスタードクリームを交互に重ねて作られたフランスの郷土菓子。フランス語で「1000枚の葉」という意味で、パイ生地の層が重なった葉っぱのように見えることに由来しています。いちごで飾られたミルフィーユは、かのナポレオンかぶっていた二角帽に似ていることから、「ナポレオンパイ」とも呼ばれています。

ブッシュドノエル (Buche de Noel)

薪の形をしたフランスのロールケーキ。フランス語で “Bûche” =「薪」、“Noël” =「クリスマス」を意味します。古代ゲルマンの冬至の祭り“ユール祭”では、大きな丸太を焚く習慣があり、ブッシュドノエルはこの丸太を模しているといわれています。(諸説あり)

クッサンドゥリヨン (Coussin de Lyon)

キュラソーで香り付けしたマジパンにチョコレートを包んだフランスのお菓子。フランス語で「リヨンのクッション」を意味します。これは16世紀、フルヴィエールの丘にある黄金のマリア像に供えられた絹のクッションの形を模して作られたことに由来します。

アニョー・パスカル (Agneau Pascal)

フランス・アルザス地方で親しまれているイースターの焼き菓子。“Agneau”は「子羊」、“Pascal”は「復活祭」を意味するお菓子で、子羊の形をしています。それは、もともとユダヤ教の祭日・過越の祭で生贄の子羊を食す習慣があったことに由来します。

アルザス地方のスフレンハイムは陶器で有名な村で、アニョー・パスカルの型の多くはこの村で生産されているのだそうです。

ガレット・デ・ロワ (Galette des Rois)

「王様のケーキ」を意味するフランスの伝統菓子。パイ生地の中にアーモンドクリームが詰められたものが主流ですが、地域によって様々なものがあります。キリスト教の祝日・公現祭の日(1月6日)に食べる習慣があり、年末年始の菓子店やパン屋にはこの祝祭に向けてガレット・デ・ロワが並びます。

生地の中には「フェーブ」と呼ばれる陶器製の小さな人形が入っており、食べた際にこの人形を引き当てた人は、その日の王(王妃)として祝福を受けるという習わしがあります。

プチフール (Petit Four)

一口サイズの小さなお菓子の総称。その起源は19世紀頃のフランスで考案されたといわれており、当時は調理に石窯やレンガのオーブンが使用されていました。

これらは温度調節が難しく、肉類やパンなどの高温調理の後にその余熱を利用してお菓子を焼いていたことから “Petit Four” =「小さな窯」と名付けられたそうです。カクテルパーティーやビュッフェ式の食事などで提供されることがあります。

ブレデレ (Bredele)

フランス・アルザス地方で親しまれているクリスマスクッキー。バターやシナモン、アニス、クルミ、ヘーゼルナッツなど様々な種類のものがあり、アドベント(イエス=キリストの降誕を迎えるための準備期間)の時期に各家庭で作られます。

その歴史は14世紀頃にさかのぼるとされており、フランスにクッキーの型が伝わった18~19世紀頃に広く親しまれるようになったのだそうです。

カヌレ (Canele)

フランス南西部・ボルドー地方の伝統的なお菓子。小麦粉や牛乳、バター、砂糖、卵、ラム酒などで作られた生地を、蜜ろうが塗られた型に入れ、オーブンで焼き上げて作られます。その起源には諸説ありますが、18世紀頃にボルドーにある修道院の修道女たちによって生み出されたという説が定説とされています。

マカロン (Macarons)

アーモンドパウダーや卵白、砂糖などから作られるフランスの焼き菓子。発祥は16世紀頃のイタリアだと考えられており、フランス王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによってイタリアからフランスに伝えられたといわれています。

ガトーオぺラ (Gateau Opera)

フランス・パリにあるオペラ座 (オペラ・ガルニエ) をイメージして作られたチョコレートケーキ。アーモンドパウダーを用いたスポンジ生地 (ビスキュイ・ジョコンド) に、コーヒー風味のバタークリームやチョコレートガナッシュなどを重ね合わせたもので、表面に金箔が添えられているのが一般的です。

その起源は諸説ありますが、1955年にフランスを代表する美食ブランド「ダロワイヨ」で考案されたというのが通説とされています。

クレープ (Crêpe)

フランス・ブルターニュ地方発祥のパンケーキの一種。小麦粉で作られた薄い生地に、フルーツやチョコレートソース、ジャム、ホイップクリームなどのトッピングをして作られます。その起源はそば粉のガレットであり、12~13世紀頃に十字軍がアジアからソバをフランスに持ち帰ったのがはじまりだとされています。

例年2月2日には「ラ・シャンドルール (La Chandeleur) 」と呼ばれるクレープを焼いて家族や友人と楽しむ風習があります。クレープを作る際に左手に金貨を持ちながら、右手のフライパンで生地を上手くひっくり返せたら、その年は幸運に恵まれると信じられています。

クイニーアマン (Kouign-amann)

フランス・ブルターニュ地方の郷土菓子。小麦粉や砂糖、バターなどから作られ、その名称はブルトン語で “Kouign” = 「菓子」、 “Amann” = 「バター」を意味します。フィニステール県ドゥアルヌネ発祥であり、1860年頃にパン職人のイヴ=ルネ・スコルディア (Yves-René Scordia) によって考案されました。

フレジエ (Fraisier)

フランスのイチゴのケーキ。「クレーム・ムースリーヌ (Crème Mousseline)」と呼ばれるカスタードクリームとバターを合わせたクリームや、いちごをスポンジ生地でサンドして作られます。19世紀末フランス人シェフ、オーギュスト・エスコフィエ (Auguste Escoffier) によってその原型が考案され、今日知られているフレジエは1966年にフランス人パティシエ、ガストン・ルノートル (Gaston Lenôtre) によって考案されました。当初はパリのバガテル庭園にちなんで「バガテル(la Bagatelle)」と呼ばれていました。

ガトー・バスク (Gâteau Basque)

フランス・バスク地方のケーキ。クッキー生地でカスタードクリームやチェリージャムを包み、オーブンで焼き上げて作られます。中身によって生地の表面の模様が異なり、カスタードクリーム入りのものは格子模様、チェリージャム入りのものは「ラウブル (Lauburu)」と呼ばれるバスク十字がデザインされています。

1830年頃、バスク地方の温泉地カンボ=レ=バン (Cambo-les-Bains) でパティシエ、マリアンヌ・イリゴヤン (Marianne Hirigoyen) によって考案された“Biskotxak” が原型だといわれています。

タルト・タタン (Tarte Tatin)

バターと砂糖でキャラメリゼしたリンゴを型に敷き詰め、タルト生地をかぶせてオーブンで焼いたお菓子。19世紀後半、フランスのソローニュ地方・ラモット=ブーヴロンにある「ホテル・タタン (HÔTEL TATIN) 」を経営していたタタン姉妹がりんごのタルトを作ろうとした際、焦がしてしまった失敗から生まれたと考えられています。「クレームフレッシュ (Créme Fraîche) 」と呼ばれるサワークリームやバニラアイスクリームを添えて供されるのが一般的です。

パリブレスト (Paris-Brest)

フランスのシュー菓子。キャラメリゼしたナッツ類をペースト状にした「プラリネ (Praliné) 」をシュー生地で挟み、上からアーモンドスライスや粉砂糖を振りかけて仕上げられます。その歴史は1891年、パリからブレストまでを往復する自転車レース「パリ・ブレスト・パリ (Paris-Brest-Paris) 」が開催されたことにはじまります。

コースの沿道にあった菓子店「メゾン・ラフィット (Maisons-Laffitte) 」の職人、ルイ・デュラン (Louis Durand) がこのレースを記念して考案したといわれており、パリブレストの生地の形状は自転車の車輪の形を表しています。

サントノーレ (Gâteau St-Honoré)

特別な機会に供されるフランス・パリ発祥のシュー菓子。土台となる生地の上にカラメルを塗った小さなシューを並べ、中央にクリームを絞って作られます。その歴史は19世紀頃、パリのサントノーレ通りにあった名店「シブースト (Chiboust) 」で生み出されました。「サントノーレ」とは6世紀のフランス・アミアンの司教、聖オノレ (Saint-Honoré) のことで、パン職人や菓子職人の守護聖人でもあります。

エクレール (Éclair)

細長いシュー生地にホイップクリームやカスタードクリームなどを詰めたお菓子。生地の表面はチョコレートやフォンダン (糖衣) などでコーティングされています。1850年頃、偉大な菓子職人アントナン・カレーム (Antonin Carême) が「パン・ア・ラ・デュシェス (Pain à la Duchesse) 」と呼ばれるお菓子を改良して生み出したといわれています。

「エクレール (Éclair)」はフランス語で「稲妻」を意味し、その由来はあまりの美味しさに稲妻が走る速さで食べ終わってしまうからという説や、生地の表面のフォンダン (糖衣)が稲妻のように光るからという説など諸説あります。

プロフィトロール (Profiterole)

ホイップクリームやカスタードクリーム、バニラアイスクリームなどが入ったシュー生地に、上から温かいチョコレートソースをかけたデザート。「プロフィトロール」という言葉は16世紀頃から存在していたと考えられており、17世紀頃までは生地の中に肉や野菜を詰め、スープ (ポタージュ) に浮かべた料理として食されていました。

19世紀になり、偉大な菓子職人アントナン・カレーム (Antonin Carême) がこの料理をもとに、クリームやチョコレートなどを組み合わせたことで、現代のようなデザートへと変貌を遂げました。

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