A Variety of Cookies from Around the World – 世界のクッキー –

アマレッティ (Amaretti)、イタリア

粉状にしたアーモンドにメレンゲを加えて焼き上げたお菓子。マカロンの原型ともいわれており、その名称はイタリア語の “amaro(苦い)”に由来しています。紅茶やコーヒーのお供としてはもちろんのこと、本場のイタリアではデザートワインと頂くこともあるそうです。

バニレキプフェルン (Vanillekipferl)、オーストリア

オーストリアやドイツ、ハンガリーなどで親しまれているクリスマスクッキー。クリスマス前の4週間「アドヴェント」(待降節)に食べる習慣があり、粉砂糖をまぶしたり、チョコレートに浸したりしていただきます。

その歴史は1683年の第二次ウィーン包囲でオーストリア軍がトルコ軍を打ち負かしたことを祝って作られたというのが通説とされています。一方で、それ以前からバニレキプフェルンは存在していたという主張もあり、詳細は明らかにされていません。

スペキュラース (Speculaas)、オランダ

オランダで親しまれているスパイスクッキー。生地には、シナモンやクローブ、カルダモン、ナツメグなどの香り豊かなスパイスが用いられており、様々な絵柄でかたどられているのが特徴です。

クリスマスを象徴するサンタクロースの元祖とも言われる聖人を祝う「聖ニコラウスの日」(12月5-6日) に食べる習慣があります。

クラビエデス (Kourabiedes)、ギリシャ

ギリシャのクリスマスの定番菓子。砕いたアーモンドやブランデーが練りこまれた香り高いクッキーで、生地の表面には粉砂糖がたっぷりと振りかけられています。一般的に丸型または三日月型が多く、その名称は中東のクッキー「クラビーヤ (Qurabiya) 」に由来します。

クラビエデスの他にも、類似したクッキーが「クラビエ (Kurabie)」や「グラビエ (Gurabije) 」「ゴリバ (Ghoriba) 」などの名称で、中東やバルカン、アフリカの広い地域で親しまれています。

ラフィオリ (Rafioli)、クロアチア

クロアチア・ダルマチア地方の半月形のクッキー。特にトロギールやマカルスカ、スィニの名物として知られており、結婚式や洗礼式などの特別な機会に食べる習慣があります。

生地の中の餡は、伝統的にはアーモンドやスパイス、ブランデー、レモンの皮などを用いて作られますが、現在はチョコレートやクリームなどが入ったバリエーションに富んだラフィオリがあります。

バーズラーレッカリー (Basler Läckerli)、スイス

スイス北西部・バーゼル発祥の伝統的な焼き菓子。シナモン・ナツメグ・クローブなどのスパイスやハチミツ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、キルシュ(サクランボのブランデー)などから作られるもので、焼き上げた生地の表面にキルシュアイシングを塗って仕上げます。

一年を通して親しまれているお菓子ですが、クリスマスやお正月など特別な日にも食されます。

ペッパルカーコル (Pepparkakor)、スウェーデン

スウェーデンのクリスマスの時期に親しまれているクッキー。生地にはシナモンやクローブ、ジンジャーなどのスパイスが入っています。14世紀頃から作られるようになったと考えられており、1444年にはヴァドステーナ修道院の修道女たちが消化不良を和らげるための薬としてこのお菓子を作ったことが記録に残されています。

ボルボロン (Polvoron)、スペイン

スペイン南部・アンダルシア地方発祥とされるスペインのクッキー。小麦粉や砂糖、アーモンド、ラードなどから作られます。口に含むとホロホロと溶けてしまうほどの繊細なお菓子で、クリスマスの時期に食べる習慣があります。

ペルニーク (Pernik)、チェコ

シナモンやクローブ、ナツメグなど様々なスパイスで風味付けされたチェコのジンジャーブレッド。表面にはアイシングで繊細な装飾が施されており、ハートや星、動物など多種多様な形のものがあります。

その歴史は1300年代初期より作られていたと言われており、チェコ中北部の都市・パルドゥビツェのペルニークはEUが定める「地理的表示保護」(PGI)に登録されています。

ヴァニリェクランセ (Vaniljekranse)、デンマーク

デンマークの伝統的なクリスマスクッキー。デンマーク語で「バニラクッキー」を意味し、バターをふんだんに用いた生地の中にバニラビーンズや刻んだアーモンドが含まれているのが特徴です。

レープクーヘン (Lebkuchen)、ドイツ

ハチミツやスパイス入りのドイツのクリスマスクッキー。とりわけ、クリスマスマーケットの屋台で販売され、アイシングで装飾が施されたハート形のレープクーヘンは多く出回ります。

その起源は紀元前350年の古代エジプトで作られていたハチミツ入りのパンが原型だといわれており、13世紀頃フランケン地方の修道院で現在のような形のレープクーヘンが作られるようになったとされています。

クルムカカ (Krumkake)、ノルウェー

ノルウェーのワッフルクッキー。生地を専用の鉄板で薄く焼き上げ、筒状に巻いて作られます。粉砂糖を振りかけたり、中にクリームを詰めたりして食べるのが一般的で、特にクリスマスの時期に人気のあるお菓子として親しまれています。

ブレダラ (Bredele)、フランス

フランス・アルザス地方で親しまれているクリスマスクッキー。バターやシナモン、アニス、クルミ、ヘーゼルナッツなど様々な種類のものがあり、アドベント(イエス=キリストの降誕を迎えるための準備期間)の時期に各家庭で作られます。

その歴史は14世紀頃にさかのぼるとされており、フランスにクッキーの型が伝わった18~19世紀頃に広く親しまれるようになったのだそうです。

スペキュロス (Speculoos)、ベルギー

シナモンやカルダモン、クローブなどが効いたベルギーのスパイスクッキー。1年を通して親しまれているお菓子ですが、伝統的に12月5 ~ 6日に祝われる聖ニコラスの日の前夜に食べる習慣があります。2020年にスペキュロスは、首都ブリュッセルの文化遺産に認定されました。

チョコチップクッキー (Chocolate Chip Cookie)、アメリカ

チョコチップクッキーは世界中で愛されているお菓子の一つですが、マサチューセッツ州公式のクッキーにも認定されています。

1938年、マサチューセッツ州のホイットマンにあった宿屋「トール ハウス イン」のオーナー、ルース・ウェイクフィールド氏 (Ruth Wakefield) によってチョコチップクッキーは生み出されました。

細かく刻んだネスレのチョコバーを生地に入れ、チョコレートクッキーを作ろうとしたところ、チョコレートが溶けなかったことで思いがけずチョコチップクッキーができてしまったそうです。

地方紙でも「トールハウスクランチクッキー」として紹介され、その後アメリカ中で愛されるようになりました。

アルファホール (Alfajores)、アルゼンチン

アルゼンチンをはじめとした南米地域で親しまれているクッキー。スペイン・アンダルシア地方発祥と考えられており、アルゼンチンにはスペイン統治時代に伝わりました。

「ドゥルセ・デ・レチェ」と呼ばれる南米のミルクジャムをサンドしたものが一般的ですが、他にもジャムやナッツを挟んだものや、チョコレートでコーティングされたものなど様々な種類があります。

カフク (Kahk)、エジプト

エジプト発祥のクッキー。プレーンをはじめ、デーツやハチミツ、ナッツなどが入ったものなど様々な種類があり、生地の表面には粉砂糖が振りかけられています。「イード・アル・フィトル」と呼ばれるラマダン(断食月)明けに催される行事で食べる習慣があります。

ナン・ベレンジ (Naan Berenji)、イラン

イラン西部・ケルマーンシャー発祥のお菓子。米粉やローズウォーター、カルダモンなどから作られるクッキーで、生地の表面にケシの実を振りかけて仕上げられます。イラン歴の新年「ノウルーズ (Nowruz) 」を祝う際に食べる習慣があります。

ケルマーンシャーはかつてシルクロードの中継地として栄えた都市であり、15世紀頃にシルクロードの主要な交易路が衰退した後も、地域貿易や聖地巡礼の拠点として多くの人々が行きかっていました。

ナン・ベレンジはカジャール朝時代、この地を訪れる旅行者や商人たちに保存性と栄養価の高い携行食として供されるようになったといわれています。

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