キーライムパイ (Key Lime Pie)
アメリカ・フロリダ州発祥のお菓子。グラハムクラッカー・クラストにライム果汁や卵黄、コンデンスミルクを加え、冷蔵庫で冷やして作られます。フロリダキーズ列島で採れるキーライムが使われており、2006年にはフロリダ州公式のパイとして認定されました。
例年フロリダキーズではキーライムフェスティバルが開催され、参加者にはキーライムパイが振舞われます。
ピーナッツバタークッキー (Peanut Butter Cookie)
クッキー生地にピーナッツバターが練りこまれたアメリカのお菓子。1910年代、アメリカの植物学者/ジョージ・ワシントン・カーヴァーが、ピーナッツの栽培と調理関する書籍で紹介したピーナッツクッキーがその前身だとされています。
当初は、特に装飾が施されていない円形のクッキーが作られていましたが、1932年アメリカの日刊紙「デイリー・ガゼット」でフォークマークで装飾されたピーナッツバタークッキーが紹介され、現在の姿になりました。
ウーピーパイ (Whoopie Pie)
アメリカ北東部で親しまれているソフトクッキー。柔らかいクッキー生地にマシュマロクリームを挟んだお菓子で、名称はそのお菓子を目にした子どもたちが “Whoopie!(やったー!)”と大喜びしたことに由来します。
その発祥地はメイン州とペンシルバニア州の間で議論が交わされていますが、2011年にメイン州公式の食べ物(official state treat)として指定されました。
キングケーキ (King Cake)
カーニバルの最終日に行われる「マルディグラ」に食されるケーキ。甘いペストリー生地にクリームをのせ、カラフルなパウダーで飾ったお菓子で、これらの色はそれぞれ信仰、権力、正義を表しています。
生地の中には小さな赤ちゃんの人形が隠されており、見つけられた人はその1年幸運に恵まれると信じられています。
ニューヨークチーズケーキ (New York-Style Cheesecake)
ベイクドチーズケーキの一種。他のチーズケーキと異なり、濃厚でずっしりとした生地が特徴のひとつで、果物やナッツ類等で装飾が施されていないシンプルなものが一般的です。
チーズケーキ自体は古代ギリシャ時代が起源とされていますが、ニューヨークチーズケーキは20世紀ヨーロッパからアメリカへ渡ったユダヤ系移民により誕生したといわれています。
レッドベルベットケーキ (Red Velvet Cake)
ココアパウダーと食用色素で色付けされた生地とクリームが層になったケーキ。色鮮やかな赤色が特徴的なケーキで、特にクリスマスやバレンタインデーに多く食されます。その起源は1,800年頃ビクトリア朝時代とされていますが、発祥地については諸説あります。
レッドベルベットケーキは、アメリカ南部で生み出されたという説が有力ですが、ニューヨーク市にあるウォルドーフ・アストリアホテルのシェフによってレシピが考案されたという説もあります。実際、当ホテルでは今でも伝統的なレッドベルベットケーキを頂くことができます。
スモア (S’mores)
焼いたマシュマロとチョコレートをグラハムクラッカーで挟んだお菓子。その名称は英語の“Some more (もう少し)”の短縮形が由来で、キャンプファイヤーで定番のお菓子として知られています。
スモアのレシピが初めて公開されたのは1927年、ガールスカウトのガイドブック『ガールスカウトとのトランプとトレーリング』で、当時は“Some More”の名称で紹介されました。
バントケーキ (Bundt Cake)
中央に穴が空いた丸いケーキ。東ヨーロッパのお菓子「クグロフ(Gugelhupf)」が原型となってできたお菓子で、20世紀にアメリカへ伝わりました。
しかし、当時アメリカではリング状の調理器具が入手困難だったため、調理器具の製造会社“NordicWare”によって専用器具が作られました。(バンド・パン) 1960年代以降人気を博し、毎年11月15日は「バント・パンの日」が制定されています。
パンプキンパイ (Pumpkin Pie)
スパイス入りのかぼちゃのフィリングが入ったアメリカのパイ。ハロウィンからクリスマスの時期にかけて食べる習慣があります。
かぼちゃは北アメリカが原産ですが、初めてパンプキンパイのレシピが掲載されたのは17世紀頃のイギリス。後にアメリカのニューイングランドへ渡ったイギリス入植者たちによって伝えられたといわれています。
ピーカンパイ (Pecan Pie)
コーンシロップとピーカンナッツから作られるパイ。アメリカ南部の名物として知られたお菓子で、特に感謝祭やクリスマスの時期に供されます。お好みで生地の上にアイスクリームやホイップクリームなどをのせて食べることもあります。
ブルーベリーパイ (Blueberry Pie)
アメリカ原産のブルーベリーをふんだんに使用したパイ。「ブルーベリーパイ」の名称が書面に初めて登場したのは1820年代ですが、レシピが公開されたのは1870年代とされています。
メイン州の公式デザートとして指定されており、毎年4月28日「ブルーベリーパイ デー」には、全米でブルーベリーパイが振舞われます。
バナナプリン (Banana Pudding)
アメリカ南部で親しまれているデザート。バナナにカスタードクリームやホイップクリーム、ウエハース、クッキーなどを層状に重ねて作られます。もともと1800年頃までアメリカではバナナの存在自体知られておらず、1870年代にカリブ海から輸入され広く普及したといわれています。
バナナの普及とともに、バナナを使用したアメリカ独自のお菓子やデザートができました。毎年10月、テネシー州ではバナナプディングフェスティバルが開催されます。
ボストンクリームパイ (Boston Cream Pie)
マサチューセッツ州の公式デザート。バニラカスタードを挟んだ2層の生地にチョコレートソースがかかったスポンジケーキです。1881年、ボストンにあるパーカーハウスホテルのフランス人シェフによって考案されたといわれています。当時は、ケーキ型は入手困難でパイ型で作られたため、名称に「パイ」が付けられました。
フライドアイスクリーム (Fried Ice Cream)
アメリカで誕生したといわれているアイスクリーム。ひと掬いのアイスクリームを衣で包み、高温の油で素早く揚げて作られます。
その起源は19世紀頃とされていますが、1893年のシカゴ万国博覧会で初めて登場したという説や、1894年にフィラデルフィアの会社が発明したという説など諸説あります。
アップルパイ (Apple Pie)
世界で広く親しまれている、甘く煮たリンゴを生地に詰めて焼いたパイ。「アップルパイのようにアメリカ的だ ( “As American as apple pie” ) 」という慣用句があるほど、アメリカを代表するデザートととしても知られています。
その起源は14世紀頃のイギリスで作られたといわれており、アップルパイ最古のレシピ “The Forme of Cury” (Samuel Pegge) にも記録が残されています。アメリカには17世紀、信仰の自由を求めて国外へ渡ったイギリスのピューリタン(清教徒)たちによって伝えられました。
ブラウニー (Brownies)
チョコレートやココアを用いた生地を平たく焼いた焼き菓子。その起源は、イリノイ州のシカゴにあるホテル・パーマーハウス (現 : パーマーハウス ヒルトン ホテル)が発祥であると言われています。
当ホテルオーナー夫人・バーサパーマー氏の要望で、1893年に開かれたシカゴ万国博覧会に参加した人々のために考案されました。今でも、パーマーハウス ヒルトン ホテルでは当時のレシピで作られたブラウニーを頂くことができるそうです。
ドーナツ (Doughnut)
世界で広く親しまれている生地を油で揚げたお菓子。オランダの伝統的な揚げ菓子「オリークック (Olykoek) 」が原型とされており、16世紀頃アメリカに入植してきたオランダ人より伝えられたといわれています。
アメリカでは、毎年6月の第1金曜日に「ドーナツの日」と呼ばれるナショナルデーがあります。これは第一次世界大戦中、兵士たちにドーナツを提供した救世軍を称えた記念日で、この日には多くのドーナツ店でドーナツが無料で配られるそうです。
チョコチップクッキー (Chocolate Chip Cookie)
世界中で愛されているお菓子の一つですが、マサチューセッツ州公式のクッキーにも認定されています。1938年、マサチューセッツ州のホイットマンにあった宿屋「トール ハウス イン」のオーナー、ルース・ウェイクフィールド氏 (Ruth Wakefield) によってチョコチップクッキーは生み出されました。
細かく刻んだネスレのチョコバーを生地に入れ、チョコレートクッキーを作ろうとしたところ、チョコレートが溶けなかったことで思いがけずチョコチップクッキーができてしまったそうです。
ジェロー (Jell-O)
ジェローは、アメリカでは誰もが知るブランドのゼラチンを使用したデザートです。1897年、ニューヨーク州のリロイで大工をしていたパール・ウェイト氏 (Pearle Wait)によって生み出されました。
その後、カラフルなレシピ本や新聞・テレビ広告など先駆的なマーケティング戦略が実を結び、アメリカの歴史の中で最も有力なブランドの1つとして成長を遂げました。
サンデー (Sundae)
アイスクリームにソースやホイップクリーム、果物、ナッツなどを盛り付けたデザート。19世紀頃のアメリカ発祥とされ、その名称は安息日(イエスが復活した日曜日)に食べられていたことから“Sunday”に由来します。(後に“Sundae”に変更)
当時アメリカではクリームソーダが人気を博していたものの、安息日の娯楽・飲酒・労働を規制する法律により、日曜日にソーダを販売することが禁じられていました。そこでアイスクリームの上からシロップをかけたものを提供したのが起源とされています。
ベイクド・アラスカ (Baked Alaska)
ケーキ生地とアイスクリームをメレンゲで覆い、焼き目を付けたデザート。その起源には諸説ありますが、アメリカ・ニューヨークにあるレストラン“デルモニコス”のシェフ、チャールズ・ランホーファー氏によって考案されたという説が有力です。
当時は、デザートの熱さと冷たさ両方を表した“アラスカ・フロリダ”という名称で呼ばれていましたが、1867年旧ロシア領アラスカの買収を記念して“ベイクド・アラスカ”と呼ばれるようになったのだそう。
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