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アイリッシュシチュー (Irish Stew)、アイルランド
アイルランドの伝統的な家庭料理。19世紀初頭に登場した料理で、当初はマトンやタマネギ、じゃがいもなどシンプルな材料で作られましたが、後にラムや牛肉、その他の野菜が追加されました。ただし、材料やレシピが各家庭によって若干異なり、家庭の数だけレシピがあるともいわれています。

タブ・コシ (Tave Kosi)、アルバニア
アルバニアの郷土料理。ラム肉とヨーグルトをオーブンで焼いた、グラタンのような料理です。アルバニア国内のみならず、北マケドニアやギリシャなどの周辺国でも親しまれています。

ラヴァシュ (Lavash)、アルメニア
アルメニアの伝統的な平たいパン。こねた生地を薄く伸ばし、地面に設置された大きな窯の側面に貼り付けて薄焼きにします。
焼きあがったラヴァシュは乾燥させて保存し、食べる際には水を振り撒いて柔らかくしてから食べます。肉やチーズなど様々な具材を挟んだり、煮込み料理に入れたりして食べることが多いとか。

ポレンタ (Polenta)、イタリア
イタリア北部で親しまれている郷土料理。粉状にしたトウモロコシにを粥状に煮たもので、ソースやチーズをかけたり、肉料理に添えたりして頂きます。
15世紀頃アメリカ大陸からトウモロコシが持ち込まれ、小麦の栽培に不向きな北部や山岳地域を中心に主食として食されるようになったのが始まりであるといわれています。

ヨークシャープディング (Yorkshire Pudding)、イギリス
イギリスの伝統的な料理の一つ。小麦粉/卵/塩/牛乳などを合わせた生地をオーブンで焼いて作られるシュークリームの皮のようなものです。 “プディング”といっても甘みはなく、主にローストビーフなどの肉料理の付け合わせとして用いられます。

ヴァレニキ (Varenyky)、ウクライナ
ウクライナの伝統料理のひとつ。小麦粉を練った生地に具を包み茹でたもので、バターやサワークリームと一緒にいただきます。見た目は中国の餃子によく似ていますが、中身は肉類/じゃがいも/キャベツ/チーズ/サクランボなどさまざまなものがあります。

ウィンナーシュニッツェル (Wiener Schnitzel)、オーストリア
子牛肉の薄切りにパン粉を付けて揚げたオーストリア・ウィーンの名物料理。その歴史には諸説ありますが、1857年頃オーストリアの陸軍元帥ラデツキーによってイタリアからレシピが持ち込まれたのが始まりであるといわれています。

ビターバレン (Bitterballen)、オランダ
オランダの伝統的なスナック。一口サイズのコロッケのような料理で、マスタードを付けていただくのが一般的です。特にビールとの相性は抜群で、おつまみや軽食の定番として親しまれています。

ギロス (Gyros)、ギリシャ
ギリシャで親しまれている伝統的なストリートフード。薄切り肉を串に刺し重ねた塊を、回転させながら火で炙って、焼けたところからそぎ切りにした料理です。一般的に野菜とともにピタと呼ばれる平たいパンに挟んで食べられることが多いですが、お皿に盛り付けをして供されることもあります。
その起源は、1920年代初頭、トルコからの移民によってトルコのドネルケバブが伝わったのが始まりであるとされています。(諸説あり)

ヒンカリ (Khinkali)、ジョージア
ジョージアの代表的な郷土料理のひとつ。生地の中には香辛料の効いた羊や豚、牛の挽肉が詰められており、黒コショウをかけて手でいただくのがジョージアンスタイルです。一見中国の小籠包のようにも見えますが、かつてモンゴルから伝わったとされています。

レシュティ (Rösti)、スイス
スイスのポテトパンケーキ。卵・チーズをのせたり、野菜・ベーコンを混ぜたりなど様々な種類があります。主にドイツ語圏で供されることが多く、フランス語圏ではあまり親しまれていないことから、これらの言語圏の境界線は「レシュティの溝 (Röstigraben)」と呼ばれています。
もともとスイス中西部・ベルン州の農民が朝食として食していたという説がありますが、実際はレシュティの起源に関して明確に記された資料や文献は見つかっていないそうです。

ショットブッラル (Köttbullar)、スウェーデン
スウェーデンのミートボール。国民食として親しまれている料理で、ブラウンソースやコケモモジャム(リンゴンベリージャム)、マッシュポテトなどと一緒に食べるのが一般的です。
各家庭でそれぞれのレシピが存在するともいわれており、使用する肉(牛・豚・子羊・ヘラジカ)やスパイスの種類、合わせるソースなどが多種多様です。日常的に親しまれている料理ですが、スウェーデンのクリスマス「ユール」の際にも食べる習慣があります。

フィデウア (Fideua)、スペイン
スペイン・バレンシア発祥の料理。一見するとパエリアそっくりですが、お米の代わりに細麺のフィデオ (パスタ)が使われています。魚介を使用しているのが伝統的なフィデウアですが、地域によって独自のスタイルのものが楽しめます。

ヴェプショ・クネドロ・ゼロ (Vepřo Knedlo Zelo)、チェコ
チェコの代表的な郷土料理のひとつ。ヴェプショ(豚肉のロースト)、クネドロ(クネドリーキ)、ゼロ(ザワークラウト=キャベツの酢漬け)を盛り合わせた料理で、ドイツやオーストリアなどでも親しまれています。
クネドリーキとは、小麦粉やじゃがいもを水や牛乳で練り、丸めて茹でた料理。シチューや肉料理には付け合わせとして添えられていることが多いです。

スモーブロー (Smørrebrød)、デンマーク
デンマークの伝統的なオープンサンド。デンマーク語で「バターを塗ったパン」を意味するもので、ライ麦にニシンやローストビーフ、チーズ、卵などさまざまなトッピングを載せていただきます。19世紀、農業労働者の間で考案され、トッピングの多くは前夜の残り物が使用されていました。

グリュンコール (Grünkohl)、ドイツ
ドイツ北部を中心に親しまれている料理。ドイツ語で「ケール」を意味し、一般的には茹でたケールにソーセージや豚肉、茹でたジャガイモなどが添えられています。
グリュンコールは冬の季節を迎えると、市場やクリスマスマーケットに出回るようになります。ケールは栄養価が非常に高く、古くから地中海では薬草として栽培されていた歴史があるそうです。

グヤーシュ (Goulash)、ハンガリー
牛肉や玉ねぎ、じゃがいもなどを煮込んだハンガリーのシチュー。その名称はハンガリー語で“Gulya(牛の群れ)”、“Gulyas(牛飼い)”を意味する言葉で、農夫の料理がルーツであるといわれています。
現在ではヨーロッパで広く親しまれており、各地域の食材や食文化と融合した独特なグヤーシュをいただくことができます。

カルヤランピーラッカ (Karjalanpiirakka)、フィンランド
フィンランド東部カレリア地方の伝統料理。ライ麦の生地にミルク粥やマッシュポテトのせて焼き、最後にムナボイ(卵とバターを混ぜ合わせたもの)をトッピングした料理です。今では、国民的な料理として軽食や朝食に食されることが多いそう。

ポトフ (Pot-au-feu)、フランス
フランス語で「火にかけた鍋」を意味するフランスの家庭料理。鍋にブロックの牛肉、野菜類、香辛料を入れ、長時間煮込んで作られます。その起源には諸説ありますが、古くから農民の冬の定番料理の一つとして親しまれていたといわれています。
16世紀頃のフランスは、宗教戦争の影響で人々の生活は困窮しており、当時のポトフにはほとんど肉が入ってなかったそう。
その最中、フランス国王アンリ4世が「いかに貧しい農民であっても毎週日曜日に “Poule au pot”を食べられるようであってほしい。」と鶏のポトフを推奨した有名なエピソードが残されています。

ショプスカ・サラダ (Shopska Salad)、ブルガリア
ブルガリアの国民的な料理の一つ。角切りにしたトマトやきゅうり、たまねぎなどに塩をふり、ヒマワリ油をかけ、上から「シレネ」(バルカン諸国で親しまれている白チーズ)をトッピングして作られます。主に夏の季節に多く供される料理で、その鮮やかな色合いはブルガリアの国旗を想起させます。
1950年代、ブルガリアで現存する最古の旅行会社といわれる「バルカンツーリスト」のシェフが、観光客を惹きつける料理として考案したのがはじまりだといわれています。

ドラニキ (Draniki)、ベラルーシ
ベラルーシで親しまれているジャガイモのパンケーキ。すりおろしたジャガイモに卵と小麦粉を加え、フライパンでカリカリに焼き上げます。サワークリームと一緒に頂くのが一般的です。ひき肉を加えたり、ニンニクで香り付けしたりアレンジにはさまざまなものがあります。

ムール・フリット (Moules Frites)、ベルギー
ムール貝とフライドポテトがセットになったベルギーの代表的な料理。かつては労働者階級の人々の間で食べられていたと考えられており、特に魚が手に入らない冬の季節にムール貝とフライドポテトを組み合わせて食べられるようになったそうです。ムール・フリットは近隣の国オランダやフランス北部などでも親しまれています。

ジュレック (Żurek)、ポーランド
ライ麦を発酵させて作るポーランドのスープ。ソーセージやベーコン、ハムなどの肉類、野菜、ゆで卵などから作られ、類似した料理は東欧諸国で広く親しまれています。
またの名を「ジュル(Żur)」といい、 “Żur”はドイツ語で「酸っぱい」を意味する“Sauer”に由来するそうです。一年を通じて親しまれている料理ですが、特にイースターの時期に食べる習慣があります。

カルドヴェルデ (Caldo Verde)、ポルトガル
ケールやじゃがいも、チョリソーなどを用いて作られるポルトガルのスープ。北部発祥とされていますが、現在はポルトガル全土で広く親しまれおり、パンと一緒に供されるのが一般的です。日常的には食事の前菜として食されることが多く、結婚式などのハレの日にも食べる習慣があります。

サルマーレ (Sarmale)、ルーマニア
ルーマニア風ロールキャベツ。ひき肉や野菜、米などをキャベツやブドウの葉で包み、じっくり煮込んで作られます。ルーマニアの主食「ママリーガ」とサワークリームが一緒に供されることが多く、クリスマスや正月などのお祝いの席では欠かせない料理としても知られています。
サルマーレは、トルコ(オスマン帝国)にルーツをもち、類似した料理はヨーロッパや中東で広く親しまれています。

ビーフ・ストロガノフ (Beef Stroganoff)、ロシア
ロシア料理の一つ。牛肉・玉ねぎ・マッシュルームを炒めて、サワークリームが入ったソースで煮込んだ料理です。19世紀ロシア帝国時代に貴族ストロガノフ家の料理長が考案したといわれています。(諸説あり)
日本ではご飯にかけて食べるのが主流ですが、ロシアではパスタにかけたり、マッシュポテトを添えたりして頂きます。

ハンバーガー (Hamburgers)、アメリカ
言わずと知れたアメリカの代表的な料理。その由来は、専門家の間でも意見が分かれ明確にはされていませんが、中でも18~20世紀前半にドイツ北部・ハンブルクから移住してきたドイツ人たちによって伝えられたひき肉料理が、その原型であるとする説があります。(当時、この料理は「ハンブルク風ステーキ」と呼ばれていました。)
1904年、アメリカで開催されたセントルイス万国博覧会で、このハンブルクステーキをサンドイッチのようにパンに挟んで「ハンバーガー」として売り出したことで広く知られるようになったのだそう。

メディア ルナ (Medialunas)、アルゼンチン
アルゼンチンのクロワッサン。塩気のきいたものや砂糖でコーティングされたもの、「ドゥルセ・デ・レチェ」と呼ばれるミルクジャムが塗りこまれたものなどさまざまな種類があります。アルゼンチンの朝食の定番の一つであり、コーヒーやマテ茶と一緒に食べるのが一般的です。

ファネスカ (Fanesca)、エクアドル
エクアドルの伝統的なスープ。乾燥させたタラやカボチャ、様々な豆類や穀物などから作られる料理で、古くから伝わる先住民の伝統とスペイン人によって伝わった文化が融合して生み出されたといわれています。
聖週間(復活祭前の1週間)の時期に食べる習慣があり、スープに含まれている12種の穀物はイエスの弟子・12使徒、タラはイエス・キリストを表しているのだそうです。

ププーサ (Pupusa)、エルサルバドル
エルサルバドルの国民食。トウモロコシ粉で作られた生地に、豆やチーズ、肉を挟んで平たく焼いた料理です。ププサの歴史は非常に長く、古代マヤ文明時代の遺跡・ホヤ・デ・セレン古代遺跡(世界遺産)にも痕跡があったといわれています。

プティン (Poutine)、カナダ
カナダの名物料理のひとつ。フライドポテトにチーズカード(牛乳を酵素で固めた熟成前のチーズ)と、グレイビーソースをかけて作られるもので、1950年代にケベック州で初めて作られたとされています。
カナダ全土で広く親しまれており、トロントやオタワなどでは毎年“プティンフェスティバル”が行われます。

ガジョ・ピント (Gallo Pinto)、コスタリカ
コスタリカの朝食の定番のひとつ。その名称はスペイン語でガジョ(Gallo)=「雄鶏」、ピント(Pinto)=「まだら模様の」を意味し、白米や豆、玉ねぎ、にんにくなどを炒めて作られます。隣国のニカラグアでも親しまれており、両国の国民食として知られています。

バンデハ・パイサ (Bandeja Paisa)、コロンビア
チョリソーやひき肉、チチャロン(豚の皮を油で揚げたもの)、豆の煮込み、目玉焼きなどがワンプレートに盛り付けられた料理。コロンビア北西部・メデジン発祥の料理として知られ、その起源は地元のコーヒー農園で働く労働者のために作られたのがはじまりだといわれています。

ジャマイカンビーフパティ (Jamaican Beef Patty)、ジャマイカ
ジャマイカで親しまれている料理のひとつ。ターメリックで色付けした生地に炒めた牛ひき肉や唐辛子、玉ねぎなどの具材を包み、オーブンで焼いた料理です。最も古典的なものは、牛肉を使用したものですが、現在は鶏肉や豚肉、チーズ、シーフードなど様々なものがあるそう。

パステル・デ・ハイバ (Pastel de Jaiba)、チリ
チリの郷土料理の一つ。カニをはじめとした魚介類や玉ねぎ、にんにく、生クリーム、チーズ、スパイス類から作られるキャセロールで、伝統的なものは土鍋で作られます。なんでも白ワイン(特にシャルドネ)との相性は抜群だそう。

パステル (Pastel)、ブラジル
ブラジルの代表的なファーストフードの一つ。生地の中身はチキンや牛ひき肉、チーズなどセイボリー系の他、チョコレートやバナナ、イチゴなどスイーツ系のものもあります。その起源は諸説ありますが、20世紀頃に日本人移民によって考案されたといわれています。
ブラジルでは、1888年の奴隷解放令に伴う労働力不足を補うために世界のあらゆる地域から移民誘致が行われました。1900年代前半には、多くの日本人がブラジルへと渡り、コーヒーなどを生産する農場の雇用農民として従事しました。

アレパ (Arepa)、ベネズエラ
ベネズエラで親しまれている薄焼きのパン。とうもろこし粉にバターと水または牛乳を加えて練り、フライパンで焼いたもので、主に朝食や軽食として食されます。牛肉のトマト煮やツナ、チーズ、アボガド、トマトなどさまざまな食材を挟んでいただきます。

カウサ・レジェーナ (Causa Rellena)、ペルー
ペルーの郷土料理の一つ。アヒ・アマリージョ(黄色い唐辛子)やレモンなどが入ったマッシュポテトと、鶏肉/マグロ/アボカドなどの具材を、層になるよう型に入れて仕上げた”ペルー風ポテトサラダ”です。料理の前菜として提供されることが多く、バゲットとの相性も抜群だそう。

エンチラーダ・ホンジュレーナス (Enchiladas Hondureñas)、ホンジュラス
ホンジュラスの郷土料理のひとつ。トルティーヤ生地に肉や野菜、チーズを乗せた料理です。メキシコをはじめとした中央アメリカ各地で食されていますが、メキシコのは具材をトルティーヤを包むのに対し、ホンジュラスのは小ぶりのトルティーヤでオープンサンドにして作られます。

チレス エン ノガダ (Chiles en nogada)、メキシコ
メキシコの郷土料理のひとつ。ポブラノ(辛味の少ない唐辛子)にピカディージョ(ひき肉と野菜の炒め物)を詰め、クルミ入りのクリームソースとザクロの種をかけた料理です。料理の色合い(緑・白・赤)は、メキシコの国旗を表しており、独立記念日(9/16)前後によく食されます。

ポワソンクリュ (Poisson Cru)、タヒチ
タヒチの伝統的な家庭料理のひとつ。新鮮なマグロとニンジン、玉ねぎ、トマトなどの野菜をココナッツミルクで和えたもので、ライムを絞っていただきます。「ポワソンクリュ」とは、フランス語でポワソン(Poisson)は「魚」、クリュ(Cru)は「生」を意味します。

チョルバフリック (Chorba Frik)、アルジェリア
アルジェリアの定番料理のひとつ。アルジェリアの穀物・フリックや肉、ひよこ豆などから作られるもので、ミントやコリアンダーといったスパイスで味付けされています。アルジェリアのフラットブレット・ケスラ(Kesra) が添えられていることが多く、特にラマダン(断食)明けに食されることが多いそう。

インジェラ (Injera)、エチオピア
エチオピアのクレープのように平たいパン。テフと呼ばれる穀物の練粉を発酵させ、薄く焼いたもので、エチオピアでは主食として食されています。インジェラの上には色とりどりのおかずが乗せられ、各々をくるんでいただくのが一般的です。

コシャリ (Kushari)、エジプト
エジプトの国民食。マカロニやパスタ、レンズ豆、ひよこ豆などに揚げた玉ねぎとトマト(トマトソース)をかけた料理です。19世紀頃のイギリス統治時代、イタリアやインド料理の要素が混ざって生まれました。

シマ (Nshima)、ザンビア
ザンビアの主食。トウモロコシの粉から作られる固粥で、魚や肉、スープなどと一緒にいただきます。アフリカには、“ウガリ(Ugali)” や“サザ(Sadza)”と呼ばれるシマとよく似た主食がありますが、部族や地域によって材料や作られ方が異なります。

ハリッサ (Harissa)、チュニジア
チュニジアの辛味調味料。唐辛子やニンニク、クミン、コリアンダー、キャラウェイシードなどスパイスやハーブをペーストにして作られるもので、サンドイッチやスープ、シチューなど様々な料理の味付けに用いられます。2022年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。

エグシスープ (Egusi Soup)、ナイジェリア
ナイジェリアのスープ。乾燥させたメロンの種子を粉砕し、野菜や肉、魚と一緒に煮込んで作られます。スープといっても汁気は少なめで、シチューのようなとろみのある料理です。「フフ」や「エバ」といったアフリカの主食とともに供されます。

ボボティ (Bobotie)、南アフリカ
南アフリカの国民食。スパイスなどで味付けしたひき肉や野菜、ドライフルーツを容器に敷き詰め、溶き卵を流し込んでオーブンで焼き上げて作られます。ヨハネスブルグに次ぐ南アフリカ第2の都市ケープタウン発祥とされる「ケープマレー料理」の一つです。
ケープマレーとは17世紀半ば以降のオランダ海上帝国期、マレーシアやインドネシアといったアジアやアフリカ諸国から奴隷として連れてこられた人々のことをいいます。

タジン (Tajine)、モロッコ
モロッコの郷土料理の一つ。牛肉や玉ねぎ、ニンニクにスパイスを加えてタジンで調理した料理です。タジンとは、円錐型の蓋をした容器のこと。砂漠地方にあるモロッコでは、水が貴重なことから食材から出る水蒸気を巡回させて無水調理するタジン鍋が生み出されました。

シャクシューカ (Shakshouka)、イスラエル
細かく刻んだにんにくや玉ねぎ、パプリカなどの野菜をトマトペーストと一緒に煮込み、その上から卵を割り入れた料理。チュニジアが発祥といわれており、その名称は北アフリカのベルベル人の言葉で「混合物」を意味します。イスラエルの他にも、北アフリカや中東の国々で広く親しまれています。

ナン・エ・バルバリ (Nan e Barbari)、イラン
楕円形で生地に厚みのあるイランのナンの一種。生地の表面にはゴマやブラッククミンなどがまぶされており、朝食にはチーズやジャムなどとともに供されるのが一般的です。かつて、少数民族ハザラ人によって作られ、イランにもたらされたといわれています。
世界では「バルバリ」の名称で知られていますが、「バルバリ」はハザラの人々に対して敬意を欠く呼び方でもあるため、イランでは「ナン・エ・バルバリ」と呼ばれています。

ピデ (Pide)、トルコ
トルコのピザ。細長い生地に様々な具材を乗せ、窯で焼き上げた料理で、長いものだと1m近くのものもあるのだとか。ひき肉や卵、スジュク(トルコのソーセージ)、チーズ、ほうれん草、トマトなど地域やお店によってもバリエーション豊かなピデが楽しめます。

マナキーシュ (Manakish)、レバノン
レバノンで親しまれている伝統的な料理。パン生地にオリーブオイルや「ザアタル」と呼ばれるミックススパイスをのせて焼き上げます。他にもトッピングには、チーズや子羊のひき肉、揚げナスなどさまざまなものがあります。

ターリー (Thali)、インド
ヒンディー語で「大皿」を意味するインドの定食。地域によって多少異なりますが、主食(米/ナン/ロティ)、ダール(豆カレー)、野菜料理、デザートなどが一般的です。インドの伝統医学アーユルヴェーダに基づき、6つの味(甘/塩/苦/酸/渋/辛)の料理がバランスよく構成されています。

ナシゴレン (Nasi Goreng)、インドネシア
“Nasi”(ご飯)、“Goreng”(揚げる)を意味するインドネシアの郷土料理。朝ごはんの定番としても知られる料理で、材料や味付けは地域によってさまざまなものがあります。
中国の炒飯もしくは中近東のピラフから独自に変化を遂げたといわれていますが、その由来は明らかにされていません。インドネシア以外にも、マレーシアやシンガポールなど周辺国でも親しまれています。

プロフ (Plov)、ウズベキスタン
ウズベキスタンの代表的な郷土料理。油で炒めた羊肉・牛肉などの肉類や玉ねぎ、ニンジン、ニンニクなどの具材を米とスパイスとともに炊いて作られます。
日常的な食事としてのみならず、結婚式や新年などの特別な日や客人をもてなす際にプロフが供されます。2016年には「プロフに関わる文化・伝統」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

プルコギ (Bulgogi)、韓国
韓国の代表的な肉料理。下味を付けた牛肉や野菜を焼いたり、煮たりして作られるもので、その名称は「プル (불)」=「火」、「コギ (고기)」=「火」を意味します。高句麗時代 (紀元前37年 ~ 668年)より食されていた「貊炙 (メッチョッ)」が起源とされています。
李氏朝鮮時代(1392年 ~ 1897年)には、下味を付けた牛肉を炭火で焼いた「ノビアニ」が宮中で作られるようになり、現在のプルコギへと変化を遂げていったと考えられています。

海南鶏飯 (Hainanese Chicken Rice)、シンガポール
茹でた鶏肉とそのゆで汁で炊いたご飯を組み合わせたシンガポールの代表的な郷土料理。中国南部・海南島の移民によって伝えられた料理で、タイの「カオマンガイ (Khao Man Kai)」やマレーシアの「ナシ・アヤム (Nasi Ayam)」など、東南アジア諸国では海南鶏飯から派生した料理として様々なチキンライスが存在します。

ミヤンカム (Miang Kham)、タイ
“1口で色々なものを食べる”を意味するタイの伝統的な軽食。ココナッツ/ライム/エシャロット/唐辛子/ピーナッツなどの具材を葉や蓮の花びらに包んでいただきます。 タイ宮廷料理を起源とする料理で、現在は屋台やレストラン、ホテルなど様々な場所で提供されています。

葱抓餅 (Cong You Bing)、台湾
細かく刻んだネギが入った生地を平たく焼き上げたパンケーキ。その起源は中国が発祥とされていますが、今では台湾をはじめその他のアジア諸国でも屋台料理として広く親しまれています。
イタリアの代表的な料理・ピザは、かのマルコ・ポーロが中国から持ち帰った葱油餅が原型であるという俗説がありますが、そもそもピザはマルコ・ポーロが中国へ渡る13世紀よりも歴史が古いと考えられていることから、実際両者は無関係なのだそうです。

粽子 (ゾンズ / Zongzi)、中国
中国の伝統行事 “端午節”に食されるちまき。もち米と具材を笹の葉に包み、茹でたり蒸したりして作られます。
戦国時代、腐敗した政治に抗議して川に身を投げた詩人・屈原の死を悼んだ漁師達が、葉で包んだご飯を川に投げいれることで、魚や悪竜から彼の身体を守ろうとしたことが始まりであるといわれています 。

ダルバート (Dal Bhat)、ネパール
ネパールの郷土料理のひとつ。レンズ豆のスープにごはんを添えた定食のような料理です。一般的には、タルカリ(野菜のおかず)やアチャール(漬物)などが付きますが、お店や家庭によっておかずの組み合わせや味付けにはさまざまなものがあります。

チキンカラヒ (Chicken Karahi)、パキスタン
パキスタンで親しまれている鶏肉料理。カラヒとは、底の深い中華鍋のような鍋のことをいい、チキンカラヒを調理する際に使われます。鶏肉やトマト、生姜、ニンニク、その他様々なスパイスを使った料理で、インドでも北部を中心に人気があります。

ホットシログ (Hotsilog)、フィリピン
「シログ」と呼ばれるフィリピン流定食の一種。シログとはガーリックライスと目玉焼き、おかずがセットになった料理で、ホットシログはこのセットにソーセージが含まれています。
この他にも、コーンビーフと玉ねぎを炒めたおかずが入った「コーンシログ」や甘辛く味付けした豚肉(トチーノ)が入った「トシログ」などがあり、朝食の定番メニューとして親しまれています。

フォー (Pho)、ベトナム
ベトナムを代表する米麺料理。ベトナム北部・ナムディン発祥とされ、南北でスープや麺の太さ、トッピングが異なります。意外にもフォーの歴史は20世紀初頭と比較的浅く、1975年ベトナム戦争終結後、国外へ亡命したベトナム人によって世界中に広まったといわれています。

ナシ・レマ (Nasi Lemak)、マレーシア
ココナッツミルクで炊いたご飯のことで、ナシ(Nasi)は「ごはん」、レマ(Lemak)は「油分」を意味します。ナシレマには、さまざまな付け合わせが添えられており、ゆで卵やきゅうり、小魚、サンバルソース(辛味調味料)などがあります。

ボーズ (Buuz)、モンゴル
モンゴルの代表的な料理のひとつ。細かく刻んだ肉を小麦粉の皮で包んで蒸した、中国の小籠包のような料理です。旧正月(ツァガーンサル)やお祝いの席に欠かせない一品で、行事前になると千個単位のボーズが作られます。準備したものは、冬場零下40℃にもなる戸外で自然冷凍して保存します。
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