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ジンギスカン (Jingisukan)、北海道
羊肉を用いた北海道の名物料理。中央部が盛り上がった専用の鍋を使用して、羊肉と野菜を焼いて頂きます。主に下味の付いているタイプと焼いてからタレを付けるタイプがあり、店舗や地域によって異なるスタイルのジンギスカンが堪能できます。
戦前~戦後、国策として綿羊飼育が奨励され、北海道ではこの時期から羊肉が食べられるようになったといわれてます。輸入羊毛や化学繊維が普及するようになると、綿羊飼育から羊肉用の飼育へと変わり、ジンギスカンは当時の羊肉消費拡大のために根付いたと考えられています。
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せんべい汁 (Senbei-Jiru)、青森県
青森県・八戸市で生まれた伝統的な郷土料理。肉や魚、野菜などの具材が入っただし汁に、南部せんべいを割り入れ煮て作られます。南部せんべいとは、塩と水を加えた小麦粉を鉄製の型で丸く焼いたもので、冷害が多く米が十分に収穫できなかった地域の貴重な保存食として食されてきました。
200年以上の歴史があると考えられており、かつては村の青年たちの集まりや山仕事の際に作られた野外料理でした。
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きりたんぽ鍋 (Kiritanpo Nabe)、秋田県
大館・鹿角地方発祥とされる鍋料理。きりたんぽや地鶏、ごぼう、きのこ、ねぎなどをしょうゆなどの調味料とともに鶏ガラのだし汁に加え、煮込んで作られます。きりたんぽとはすり潰したご飯を串に塗りつけ焼いた秋田名物として知られ、味噌やしょうゆのタレを付けたり、鍋料理に入れたりして食されています。
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芋煮 (Imoni)、山形県
山形県を代表する郷土料理。一般的にさといもやねぎ、きのこ、ごぼう、牛肉などの食材を用いて作られますが、地域によって具材や味付けが異なります。
その歴史は1600年代半ばにさかのぼり、当時、最上川舟運の終着港だった中山町で荷揚げや荷待ちの間、船頭たちが鍋を囲んで宴を開いていたのが芋煮のルーツだと伝えられています。東北地方では、秋に河川敷などの野外で芋煮を食する行事「芋煮会」が開かれます。
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わんこそば (Wanko Soba)、岩手県
盛岡冷麺・じゃじゃ麺とともに「盛岡三大麺」に数えられる岩手県のそば料理。「それもう一杯」「ほら、じゃんじゃん」などの掛け声とともに、給仕が一口大の蕎麦をテンポよく椀に入れていきます。
岩手県では、古くから客人にそばを振る舞う習慣があり、宴席などで一度に大勢の客にゆでたてを提供するため、少量ずつお椀に盛って供したのがわんこそばの原形だと考えられています。花巻市では、毎年2月11日に制限時間内で何杯食べられるかを競う「わんこそば大会」が開催されます。
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ねぎそば (Negi Soba)、福島県
福島県・下郷町大内宿の名物料理。またの名を「高遠そば」といい、1本のネギを箸代わりに使って食べるのが特徴です。もともとは長野県・伊那市高遠町発祥の料理で、江戸時代の信濃高遠藩の藩主・保科正之が会津藩へ転封(大名の領地を他に移すこと)となった際、この地に伝わったと考えられています。
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牛たん焼き (Gyutan Yaki)、宮城県
下味を付けて熟成させた「たん」(牛の舌部)を炭火で焼いた、宮城県を代表する名物料理。店によって味付けや焼き方などに違いはありますが、麦飯やテールスープなどがセットになった定食スタイルで供されるのが一般的です。その歴史は1948年、仙台で焼き鳥店「太助」を営んでいた佐野啓四郎氏によって生み出されたのがはじまりです。
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あんこう鍋 (Anko Nabe)、茨城県
茨城県の冬の味覚を代表する鍋料理。あんこうは「吊るし切り」という独特の方法で解体され、身や皮・胃・肝・卵巣・ エラ・ヒレなど、骨を除くほとんどの部位を食べることができます。これらは「7つ道具」と呼ばれ、あんこう鍋をはじめ、どぶ汁や唐揚げ、共酢和えなどの様々な料理に用いられます。
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サンマーメン (Sammamen)、神奈川県
神奈川県・横浜市発祥の麺料理。油で炒めたもやしや白菜、豚肉などの具材にとろみをつけ、ラーメンにのせて作られます。漢字で「生馬麺 (生碼麺)」と書き、広東語で「新鮮でシャキシャキした材料を上に乗せた麺」を意味します。その歴史は戦後、横浜の老舗中華料理店「玉泉亭」で考案されたといわれています。
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焼きまんじゅう (Yaki Manju)、群馬県
串に刺したまんじゅうに甘い味噌ダレを塗って焼いたもの。日常的な軽食として親しまれる他、祭りや縁日の屋台で供されています。その歴史は江戸時代後期、農村家庭で作られていた餡なしの酒まんじゅうがその原形だといわれており、農作業の合間の軽食として、また製糸工場・織物工場で働く女工たちのおやつとして広まっていったと考えられています。
群馬県・伊勢崎市にある伊勢崎神社では、例年1月11日に、直径55cmの巨大なまんじゅうを焼いて参拝客に振る舞う「上州焼き饅祭」が催されます。
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煮ぼうとう (Niboto)、埼玉県
埼玉県・深谷市発祥の郷土料理。特産である「深谷ねぎ」や地元で採れる根菜類、幅広麺などをしょうゆベースのだし汁で煮込んで作られる料理で、下茹でをせずに生麺をそのまま具材とともに煮込むため、とろみのある口当たりになります。深谷市出身の偉人、渋沢栄一氏が好んで食べていたことでも知られ、現在も彼の命日(11月11日)には地元の公民館で「にぼうと会」が催されます。
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太巻き寿司 (Futomaki-zushi)、千葉県
玉子焼き・海苔・かんぴょう・赤でんぶなどの具材や、すし飯を巻いて作る千葉県の代表的な郷土料理。「太巻き祭りずし」の名称でも知られています。切り口に花や動物や縁起の良い文字など様々な文様が表れるのが特徴で、古くから冠婚葬祭や年中行事など特別な機会のご馳走として脈々と受け継がれてきました。
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